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アーユルヴェーダー

Lesson1-1 アーユルヴェーダとは何か

アーユルヴェーダとはいったい?

最近よく耳にするアーユルヴェーダ。

なんとなく、健康的な暮らし方や方法?というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

アーユルヴェーダとは、現存する伝統医学の中では最も古いとされるインドの伝統医学体系です。

その歴史は3500年以上とも言われていますが、日本で紹介されるようになったのはつい最近の30年ほど前なのです。

西洋医学の限界?

近年、日本の医学は大きく風潮を変えています。

これまで信頼されてきた西洋医学に変わり、鍼灸・漢方などの東洋医学や自然療法が脚光を浴びているのです。

これには、西洋医学だけでは解決しえない様々な問題に直面している、日本医学界の現状が関係しているのでしょう。

本当の健康とは

「健康」に対する価値観も近年大きく変化してきています。
これまでは薬や機器を使用して、無理にでも病気を治すことが健康だと考えられてきました。

しかし、現在ではこのような西洋医学のやり方に医者も患者も疑問を感じるようになってきているのです。

精神的な健康と幸せが現代では最も求められています。

アーユルヴェーダは、まさにそんな現代にぴったりの医療だと考えられています。

アーユルヴェーダでは、心と体のバランスを保つことで魂を浄化します。

まさに精神的な健康を目指す医学であるといえるでしょう。

さらにアーユルヴェーダにおける健康法は、食事・入浴など日常生活に寄り添ったものばかりです。誰でも簡単に始められ、続けられる。

それがアーユルヴェーダが注目されるべきもう一つの理由だといえるでしょう。

それでは、次のセクションからはアーユルヴェーダの深い歴史について学んでいきましょう。

Lesson1-2 アーユルヴェーダの起源

3500年前からインドにつたわる伝統医学

アーユルヴェーダの起源は5000年前のインドにさかのぼります。

古代インドの聖者リシによって、病気に苦しむ人たちのために活用したことにまでさかのぼるとされています。

「アーユス」(生命・寿命)と「ヴェーダ」(心理・科学)が結合してできた言葉が「アーユルヴェーダ」だと言われており、その意味は「生命科学」「生命の知恵」だと訳されています。

これはアーユルヴェーダが、病気の治療だけを目的としておらず、病気になるまでの過程や予防、日々の健康増進法に重点を置き、トータルに健康を科学するという意味であることを表しています。

また今から3500年ほど前には、バラモン教(古代インドの宗教)の教典、ヴェーダ文献にアーユルヴェーダの起源は記されました。

『リグ・ヴェーダ』『サーマ・ヴェーダ』『ヤジャル・ヴェーダ』『アタルダ・ヴェーダ』という4つの教典が主に有名ですが、アーユルヴェーダはそれら4つの教典から生命に関する知識を集約したウパヴェーダ(=副ヴェーダ)が起源であるといわれています。

『リグ・ヴェーダ』が最初のヴェーダ文献とされており、紀元前15世紀ごろに記されたとされています。

ウパヴェーダには生命科学であるアーユルヴェーダ以外にも、建築学、芸術学、兵法などが記載されています。

アーユルヴェーダともに、世界中に広まっているヨーもまたヴェーダが起源であるといわれています。

紀元前272年から231年ごろのインド皇帝アショーカにより、アーユルヴェーダの病院が多く作られ、アーユルヴェーダやヨガは順番に世界に広まりました。そして、中国医学やチベット医学など各地の伝統医学の形成に役立ちました。その証拠として、各地のマッサージや薬などにアーユルヴェーダの知識が練りこまれています。

さらにアーユルヴェーダは現代の西洋医学に大きな影響を与えたといわれるギリシャ医学にも関係しているといわれています。古代ギリシャ医学の体質による健康増進法の考え方は、アーユルヴェーダに起源をもつのではと考えられているのです。

また、アーユルヴェーダは「長寿と幸福のための知恵」とも呼ばれており、今やその知恵の数々は世界中の多くの人に実践されています。

分かりやすく易しい言葉で健康の知恵を教えてくれるアーユルヴェーダは、5000年前から現在まで世界中で人々の健康的な生活の知恵として寄り添ってきました。

アーユルヴェーダは季節や時間、年齢などによる心身の変化に合わせた、身体との向き合い方のコツを教えてくれます。

アーユルヴェーダにおいて「幸福」は得るものではなく、「気づく」ものであると考えられています。この考え方は複雑化して幸福の本質を見失いがちな現代において、非常に注目されるようになってきています。

次のセクションでは、アーユルヴェーダが現代に受け入れられるまでになった歴史を学びましょう。

Lesson1-3 アーユルヴェーダの歴史

時代遅れといわれたアーユルヴェーダ

インドでは主流とされてきた医学体系、アーユルヴェーダ。

20世紀に入ったころ、東洋一帯では西洋諸国からの植民地支配がひろがり、西洋医学が主流に変わりつつありました。そんな中で、アーユルヴェーダのやり方は「時代遅れ」だと消滅の一途をたどっていました。

しかし、1980年、インドの国会にてアーユルヴェーダにも西洋医学と同じ地位を与えるという法令が採決されました。

ここからアーユルヴェーダは復活の道へ進むことになるのです。

現在のインドの病院では、西洋医学の医師とアーユルヴェーダの医師がともに働いている姿が一般的に見受けられます。

アーユルヴェーダが日本に伝わったのは7~8世紀ごろ、遣唐使によって伝来したと考えられています。

しかし、当時の日本では漢方医学が中心であり、なかなか人々には浸透しませんでした。
その後長い年月を経て、1970年ごろにようやくアーユルヴェーダは日本でも認識されるようになりました。

しかし、現在になっても日本では、西洋医学とは異なり、アーユルヴェーダの治療には保険がききません。
そんな状況でも、アーユルヴェーダの治療を受けられる医院の数は少しずつ増えてきています。

中には、保険適用の治療と保険外のアーユルヴェーダ治療の両方を受けられる医院もあるほどです。
このような医院は欧米諸国では多く見受けられ、今後は日本でも数を増やしていくと考えられています。

そうなるとこれまでとは異なり、より身近にアーユルヴェーダの治療を受けられる人が増えることでしょう。

西洋医学の限界

患ったというその点だけに注目して治療を進める西洋医学のやり方には限界があり、病気を未然に防ぐ予防医学の考えはますます重要視されてきています。

病院に行けばなんとかなるという考えの現代人は多く、医学の知識は医者任せになってしまっています。

しかし本来、医学とは生活の中にあるもので、誰でも活用できるものであり、自分の健康は自分で守るべきものなのです。

その点、アーユルヴェーダは生活の中で行う簡単で身近な医療によって、自分の身体と向き合い整理することが出来ます。近年アーユルヴェーダが注目されている理由には、この点の影響が大きいでしょう。

その効果に関しては、西洋医学では解決できないような現代病(慢性疲労症候群など)が実際にアーユルヴェーダの手法によって改善したという報告もされているほどです。

それでは、具体的に西洋医学とアーユルヴェーダの違いはどのような点にあるのでしょうか。

次のセクションでは、現代医療の中心核である西洋医学とアーユルヴェーダの違いについてしっかりと学びましょう。

Lesson1-4 西洋医学との違い

西洋医学とアーユルヴェーダの違い

日本では現代医療の中核として西洋医学の手法が取り入れられています。

前セクションでも述べましたが、アーユルヴェーダは西洋医学の発展にも貢献したといわれています。
しかし今や、西洋医学とアーユルヴェーダでは考え方・治療法に大きな違いがあります。

「病気」や「医療」の考え方

西洋医学で「病気」とは、体に何かしらの異変が起きていることを示します。病気になって初めて治療を開始し、人間そのものをモノとして捉え、分析的に治療や研究を進めていきます。

それに対してアーユルヴェーダでは、「病気」はなる前に防ぐことが最も重要であり、防ごうとする行為こそが医療であると考えています。
病気になる前の状態を「未病」と定義づけ対処するという考え方は、中医学やチベット医学などの伝統的な医学には不可欠な考え方だとされてきました。

アーユルヴェーダでは、「未病」の状態をさらに以下の4つに分類します。

  • 蓄積
  • 増悪(ぞうお)
  • 播種(はんしゅ)
  • 局在化

病気は3つのドーシャ(生命エネルギー)のアンバランスから起こると考えられています。

ドーシャのバランスが崩れ、ドーシャが身体の一部に「蓄積」します。それが増えすぎると「増悪」となり、局所的な不調を発症します。
さらにそれが増えると身体全体に「播種」し(散らばり)、弱い部分に「局在化」して最終的には病気を発症するのです。

アーユルヴェーダでは、どんなに大きな病気でも、一をたどればドーシャの乱れが原因であるため、予防するためには日々ドーシャのエネルギーを感じ、自分のドーシャの状態にしっかりと向き合うことが最も大切であるとされています。

この考え方に基づくと、10数年かけて発症するというガンにおいても、未病のうちに対処できる可能性があるかもしれないのです。

また、アーユルヴェーダでは、人間は身体、精神、霊魂の3つが整って初めて健康であると考えられています。

近年ようやく精神面に重きを置いた医学が注目されてきていますが、西洋医学は決定的にこの分野が欠けているといえるでしょう。病気の原因・治療にばかり注目が置かれ、病人を作らないための医学はそっちのけにされているような風潮もあります。

自分の身体を知るということ

医療技術の進歩とともに、定期検診や人間ドッグが広まり、昔は見つかりづらかった病気も今では早期発見が可能になってきました。しかし、これらの検査には費用・身体的負担もかかりますし、発見されたところで治癒できるかどうかはまた別の話であるといえます。

そもそも、小さな病気の種を発見することよりも、その病気を防ぐための予防が最も大切なことなのです。現代人ではこの点を勘違いしている人が多いでしょう。日々の生活の中で予防を心掛け、病気を防ぐことが出来れば、病気を恐れる必要もありません。

「病気になったら医者に行けばよい」という考え方は非常に危険です。
病気をすべて医者任せにするのではなく、病気にならないような生活を心掛け、自分自身の身体と向き合い、よく知ることこそが一番の予防医学なのです。

この予防医学の知恵を学べるのがアーユルヴェーダです。病気になってから治療を考える西洋医学とは根本的に考え方が異なりますね。

次のセクションではアーユルヴェーダを考えるときに、切っても切り離せない「カルマ」について学びましょう。

Lesson1-4 西洋医学との違い

西洋医学とアーユルヴェーダの違い

日本では現代医療の中核として西洋医学の手法が取り入れられています。

前セクションでも述べましたが、アーユルヴェーダは西洋医学の発展にも貢献したといわれています。
しかし今や、西洋医学とアーユルヴェーダでは考え方・治療法に大きな違いがあります。

「病気」や「医療」の考え方

西洋医学で「病気」とは、体に何かしらの異変が起きていることを示します。病気になって初めて治療を開始し、人間そのものをモノとして捉え、分析的に治療や研究を進めていきます。

それに対してアーユルヴェーダでは、「病気」はなる前に防ぐことが最も重要であり、防ごうとする行為こそが医療であると考えています。
病気になる前の状態を「未病」と定義づけ対処するという考え方は、中医学やチベット医学などの伝統的な医学には不可欠な考え方だとされてきました。

アーユルヴェーダでは、「未病」の状態をさらに以下の4つに分類します。

  • 蓄積
  • 増悪(ぞうお)
  • 播種(はんしゅ)
  • 局在化

病気は3つのドーシャ(生命エネルギー)のアンバランスから起こると考えられています。

ドーシャのバランスが崩れ、ドーシャが身体の一部に「蓄積」します。それが増えすぎると「増悪」となり、局所的な不調を発症します。
さらにそれが増えると身体全体に「播種」し(散らばり)、弱い部分に「局在化」して最終的には病気を発症するのです。

アーユルヴェーダでは、どんなに大きな病気でも、一をたどればドーシャの乱れが原因であるため、予防するためには日々ドーシャのエネルギーを感じ、自分のドーシャの状態にしっかりと向き合うことが最も大切であるとされています。

この考え方に基づくと、10数年かけて発症するというガンにおいても、未病のうちに対処できる可能性があるかもしれないのです。

また、アーユルヴェーダでは、人間は身体、精神、霊魂の3つが整って初めて健康であると考えられています。

近年ようやく精神面に重きを置いた医学が注目されてきていますが、西洋医学は決定的にこの分野が欠けているといえるでしょう。病気の原因・治療にばかり注目が置かれ、病人を作らないための医学はそっちのけにされているような風潮もあります。

自分の身体を知るということ

医療技術の進歩とともに、定期検診や人間ドッグが広まり、昔は見つかりづらかった病気も今では早期発見が可能になってきました。しかし、これらの検査には費用・身体的負担もかかりますし、発見されたところで治癒できるかどうかはまた別の話であるといえます。

そもそも、小さな病気の種を発見することよりも、その病気を防ぐための予防が最も大切なことなのです。現代人ではこの点を勘違いしている人が多いでしょう。日々の生活の中で予防を心掛け、病気を防ぐことが出来れば、病気を恐れる必要もありません。

「病気になったら医者に行けばよい」という考え方は非常に危険です。
病気をすべて医者任せにするのではなく、病気にならないような生活を心掛け、自分自身の身体と向き合い、よく知ることこそが一番の予防医学なのです。

この予防医学の知恵を学べるのがアーユルヴェーダです。病気になってから治療を考える西洋医学とは根本的に考え方が異なりますね。

次のセクションではアーユルヴェーダを考えるときに、切っても切り離せない「カルマ」について学びましょう。

Lesson2-1 アーユルヴェーダ医学 8つの分野

8つの分野

アーユルヴェーダ医師はヴァイドヤと呼ばれ、栄養学や心理学、薬草学、気候学に加え占星術や宝石療法についても多くの知識と技術を持ち合わせています。

アーユルヴェーダ医学には以下の8つの分野があるとされています。

  • 一般外科・形成外科
  • 一般内科
  • 老人医学科(老年医学)
  • 耳鼻咽喉科
  • 毒物学科
  • 産婦人科
  • 小児科
  • 若返り療法

アーユルヴェーダ医学での病気の発生理論では、体・心・魂・パンチャマハブータ(5元素)の相互関係が重要視されています。

パンチャマハブータとは森羅万象あらゆるものを構成するとされる5元素(風・火・水・空・地)のことです。
人間は五感(耳・皮膚・舌・鼻・目)でこれらの5元素のエネルギーを感じ取り、体内に吸収しています。

これら5元素は互いに作用しあって互いを誕生させています。
アーユルヴェーダでは、私たち人間だけでなく、この世界のあらゆるものはこの5元素で出来ていると考えます。

  • 風:筋肉、腸と肺の働き、細胞の働き、触覚などに関係
  • 火:酵素の作用、消化系、知能、代謝などを刺激
  • 水:血しょう、血液、唾液、消化液、細胞液、粘膜などを支配
  • 空:口、鼻孔、腹腔、呼吸器官などに関係
  • 地:骨、爪、歯、筋肉、皮膚、髪などをコントロール

健康な人の身体では、この5元素と五感がバランスよく調和していますが、病気になると5元素のどれかがバランスを崩していると考えられているのです。

病気の原因の考え方

アーユルヴェーダは、生活の中で誰もが実践できる予防医学です。
アーユルヴェーダでは西洋医学と異なり、病気になる前に防ぐことが真の医学であると考えられています。

では、病気が起こる理由とはどのようなものなのでしょうか。

まず病気になった時、アーユルヴェーダ医師は患部を侵しているドーシャ(エネルギー)を特定しようと努めます。

アーユルヴェーダにおいて、心身のバランスはご飯を炊く状況に例えられます。
吹く風をヴァータ(風のエネルギー)、ご飯を炊くために燃える火をピッタ(火のエネルギー)、米と水はカパ(水のエネルギー)と例えます。

健康な状態とは、風(ヴァータ)・火(ピッタ)・米と水(カパ)がちょうどよい状態で適量の米を炊いている状態です。
適量のおいしい米が炊けると栄養が取れ、元気で健康になります。そんな元気の素はオージャスと呼ばれます。

反対に不健康な状態とは、風・火・米水のうちどれかがアンバランスになっている状態です。そんな状態ではおいしい米が炊けずに、体の中で消化できず、未消化物を作ってしまいます。このような未消化物のことをアーマと呼びます。
アーマは身体の中の通り道をふさいでしまうほど粘着質で、病気の原因であると考えられています。

生命エネルギーのオージャス

オージャスは、生命エネルギーであり心臓のチャクラにあると考えられています。

チャクラとは脊髄に沿う体の中心線上にあるとされるエネルギーの中心のことです。

オージャスは身体全体を巡っており、私たちはオージャスがあることで生きることが出来ます。
反対に体のどこかのオージャスが壊れてしまうと死に至ってしまうのです。
病気の時、オージャスは弱まっており、強くすることが出来れば病気を治すことが出来ます。

西洋医学医師には原因が分からず、治療の難しい病気(エイズ・癌など)でも、アーユルヴェーダ医師はオージャスの低下に着目して考えることが出来ます。

オージャスを高めるには、習慣的な瞑想が大切です。感覚を刺激しすぎないことが大切で、食べ物からもオージャスの生成を手助けすることが出来ます。

オージャスの補充に良いとされる食べ物には、ミルク・サフラン・アスパラガスなどがあります。

オージャスは怒りや不安などの感情、リラックスできる時間の不足によっても減少しますが、年齢とともに減っていくものだと考えられています。

それでは次に、私たちを構成する5元素と健康に大切なバランスについてもう少し深く考えてみましょう。

Lesson2-2 身体を作る5元素とバランス

森羅万象を構成する5元素

足元からしっかりと私たちを支えてくれる地面。そんな地面のようにどっしりと常に揺るがず、私たちの基盤として支えてくれるエネルギーを「地」のエネルギーと呼びます。

前セクションでも述べましたが、私たちの身体において、地のエネルギーは骨や筋肉をコントロールしています。

思考や行動が落ち着いている人、おおらかでどっしりと構えている性格の人は、この地のエネルギーを多く持っていると考えられます。

地のエネルギーが不足すると、落ち着かなくなったり、自己中心的な行動をしてしまいます。

そんなとき、地のエネルギーを取り入れるためには、自然の中で土に触れたり、土の中で育つ根菜類を食べることが良いとされています。

地球の7割以上は水で出来ており、私たちは水なしでは生きられないほどにその恩恵を受けて暮らしています。

そんな日々に潤いを与えてくれる「水」のエネルギーは血液や唾液など体液全般をコントロールしています。

順応性があり、こだわりすぎず、柔らかい思考を持つ人は水のエネルギーを多く持っている人です。

頑固になったり、相手を信頼できなくなってしまうようなときは、水のエネルギーが不足しているときです。そんなときには、水辺に出かけてみたり、フルーツなどのみずみずしい食べ物を体内に取り込むことで、不足している水のエネルギーを回復させることが出来ます。

太陽は「火」のエネルギーそのものであるといえます。

私たちは太陽の光に照らされ、温められて、地球で暮らしています。植物は太陽の光なしでは育つことが出来ません。

火には、燃やしたり、温度を変えたり、物質の状態を変化させる力があります。

私たちの体の中で、消化や酵素・体温などは火のエネルギーが関係しています。

情熱的で野心家な人は火のエネルギーを多く持ち合わせている人でしょう。

やる気が起きなかったり、諦めがちな時には、火のエネルギーが不足しているときです。そんな時には、日光浴をしたり、暖かい場所へ旅行に出かけたり、スープなどの温かい食べ物・飲み物を取り入れることで、火のエネルギーを取り入れることが出来ます。

どこからともなく吹く風のように物を動かすことができ、自由なエネルギー、それが「風」のエネルギーです。

体内では、肺や呼吸に影響を及ぼしているとされています。水と火のエネルギーである血液を流すのは風のエネルギーの役割なのです。

興味の方向が様々で、発想力豊かな人は風のエネルギーに富んでいます。

落ち込みがちの気分であったり、一つの思考に固執してしまうようなときは、風のエネルギーが不足しています。そんな時には、風を感じながら外出してみたり、乾燥した食物や葉物の野菜を取ることで風のエネルギー補給が出来ます。

空のエネルギーは、これまで述べた4つのエネルギーとは少し考え方が違います。

空には「空っぽ」という意味と「空間」という意味が存在します。
空間は何かが生まれる可能性をもっているので、空っぽとは意味がほとんど逆になってしまいます。
空を理解するためには、この全く違った2つの意味が重要です。

空っぽのように見えるボトルでも、中には空気やエネルギーが閉じ込められている。
空っぽなものには、これから工夫次第で様々なものが生まれます。

空のエネルギーを持った人は、心にゆとりがあるとされています。
この「ゆとり」こそが「空」を分かりやすく表現しているのかもしれません。

見方によって概念が異なるもの、それが空のエネルギーなのです。

バランスの概念

これらの5元素は常に相互作用し、割合を変えて存在しています。

このような考え方はパンチャマハブータと呼ばれています。

体内におけるこれら5元素のバランスによって、私たちの性質を分類することが出来ます。
それが、「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」です。

この3つの分類は「ドーシャ」と呼ばれ、自分自身の性質を知ることで、体の不調などをコントロールすることが可能です。

3つのドーシャがバランスよく働いていれば、代謝や体内の循環がうまくいき、健康に過ごすことが出来ます。反対に、ドーシャのバランスが崩れると、心身に何らかの不調が生じてくるのです。

次のセクションでは、この3つの分類・自分自身の体質についてさらに詳しく学びましょう。

Lesson3-1 自分の本質(プラクリティ)を知ろう

プラクリティとは

アーユルヴェーダでは、個人の性質や体質が非常に重要視されています。そんな一人一人の本質を表すための分類が、ヴァータ・カパ・ピッタの3つです。

これら3つの分類をアーユルヴェーダでは「プラクリティ」と呼びます。この世に生まれてからプラクリティは変化しないと考えられており、これを「バース・プラクリティ」と呼んでいます。
しかし、プラクリティは生活環境次第で、時に変化したような兆候を見せたりすることもあり、これを「ボディ・プラクリティ」と呼んでいます。

プラクリティは、3つのうちどのドーシャがバランスを崩しやすいのかで決まります。
次のチェックリストにおいて、もっとも当てはまる項目が多いドーシャがあなたの体質のタイプです。
ひとつのドーシャだけが優勢というパターンは実は稀で、たいていは3つのうち2つが優勢になります。

他に比べ、一つのドーシャの項目が目立って当てはまる場合、それがあなたのドーシャ型です。
3つのうち2つが同じくらい当てはまる場合は、それら2つの混合型があなたのドーシャ型です。
3つが同じくらい当てはまる場合はほとんどありません。

しかし、人の数だけ体質が存在しますので、3つの体質の優劣の組み合わせにより、体質は無限であるといえるでしょう。

ぜひチェックリストは、幼少期からのあなた自身と向き合って行ってください。
1度は自分自身で、2度目は友人や家族などと相談しながら、客観的な意見を取り入れてみるとよいでしょう。

プラクリティチェックリスト

ヴァータタイプチェック

ピッタタイプチェック

カパタイプチェック

いかがでしたか。

以上のようにチェックリストを使って自分のプラクリティを知ろうとすることは、自分自身の身体や心と向き合うことに繋がります。
次のセクションからは、それぞれのタイプの心身の特徴やセルフケアの方法をご紹介します。
自分自身への気づきをさらに深めることが出来ますので、しっかりと学んでいきましょう。

Lesson3-2 ヴァータ体質の特徴

ヴァータ体質の心身

ヴァータは「動く」「発狂する」といった意味を持つサンスクリット語です。

ヴァータを構成する元素は、風と空であり、黄色の性質を持っているといわれています。
風は体内で呼吸を支配し、空は口や腹腔など体内の空間を支配しています。
このことから3つのドーシャの中でも最も重要な要素であると考えられています。

軽さ・速さ・冷たさなどの性質を持ち、風のように軽やかに物事を動かす人、それがヴァータの人の性質です。

ヴァータの人は、型にはまらず素早い行動力で物事を成し遂げます。
想像力が豊かで、理解力があり、どんな場面でも順応することが出来ます。

ただし、流されやすく物事が長続きしないという特徴もあります。風のように移ろいやすい気持ちの持ち主ですから、転職したり、一つのところにとどまらない人が多いでしょう。

計画的な行動が苦手で、金銭面での浪費癖もありますので注意しましょう。

ヴァータのアンバランス

ヴァータがアンバランスになり増悪していくと、心身ともに様々な不調が現れます。
精神面としては、気分が移ろいやすくなり、不安定になります。また、衝動的な行動を起こしてしまったり、緊張感が高まり、行動力が大幅に落ちてしまうこともあります。

また肉体面では、便秘になりやすくなったり、皮膚が乾燥して冷たくなります。頭痛や腰痛などを訴えることが増え、不眠にもなります。
循環器や脳疾患、神経系の病気になる人が多いといわれています。

ヴァータがアンバランスになる原因として、西洋的なライフスタイルが挙げられます。
ヴァータの性質を持つ人は、魅力的なものや体験に引き寄せられる傾向にあります。
現代ならではといえる、娯楽やタバコ・ストレス・アルコール・極度な肉体労働は、ヴァータのアンバランスを引き起こす原因となります。

気のそらされない環境で、暖かくリラックスできる環境が、ヴァータのアンバランスを防ぐためには適しているでしょう。

プラクリティ次第で、外見にも影響があると考えられています。
ヴァータの人の外見の特徴としては、体格は華奢で小柄、もしくは細身のノッポの人が多いでしょう。
皮膚は冷たく、髪とともに乾燥しやすい人が多いでしょう。目は小さく、鼻は鷲鼻の人が多い傾向にあるようです。

ヴァータ体質 生活の知恵

食事

  • 温かい食事を規則的に
  • オメガ3系のオイルや食物繊維を取り入れて
  • 白湯はすするように
  • スパイスではショウガやフェンネルを(消化促進)

マッサージ

  • 規則正しい生活と十分な休息を
  • 入浴はこまめに
  • ホホバ油やゴマ油を温めてオイルマッサージを

ヨガ

  • ゆっくりゆったりとした雰囲気で
  • 香りや音楽を楽しみながら
  • 温かい場所で行いましょう
  • 前屈系のポーズが効果的

Lesson3-3 ピッタ体質の特徴

ピッタ体質の心身

ピッタは「熱する」「燃やす」という意味をもつサンスクリット語です。

ピッタを構成する元素は、火と水であり、赤色の性質を持っているといわれています。
火は体内で酵素や代謝を支配し、水は血液や消化液など体液を支配しています。
ピッタは太陽と宇宙現象でつながると考えられており、3つのドーシャの中でも激しやすい要素であるといえます。

強烈さ・熱さなどの性質を持ち、熱意をもって勇敢に柔軟に物事を成し遂げられる人、それがピッタの人の性質です。

ピッタの人は、決断力がありますが、新しい考えも柔軟に取り入れることが出来、言語能力が優れている傾向にあります。
また、勇敢なリーダータイプの人が多く、知的で効率的な言動を好みます。

ただし、水のエネルギーの強弱により、感情の起伏が激しく、気の荒い時もあります。

仕事が多すぎることもピッタの人にとっては良くありませんので、量の調整には気を付けましょう。

ピッタ体質のアンバランス

ピッタがアンバランスになり増悪していくと、心身ともに様々な不調が現れます。
精神面としては、完璧主義すぎるあまり、空回りして、気づけば周囲に敵を作ってしまうことも。また、鋭く競争心のある性質から、イライラすることが多くなったり、怒りっぽくなったりします。見栄の張りすぎも悪影響を及ぼすでしょう。

また肉体面では、寒さに強い反面、暑さには弱い一面があるため、汗をかく量が異常なまでに増えるでしょう。そのせいで、湿疹やじんましんなどの肌トラブルも引き起こしやすくなってしまいます。

火の力は消化力を高めますが、それが高まりすぎると胸やけを起こしたり、肝臓や胃腸の病気にかかりやすくなるでしょう。心臓病・アルコール依存症・肝疾患・胃潰瘍・皮膚病には要注意です。

ピッタがアンバランスになる原因は、ヴァータ同様、継続的なストレスと不規則な生活にあります。十分な睡眠をとり、バランスのとれた食事をすることが大切です。
また、暑すぎる環境や長く日光にさらされることもアンバランスの原因です。

水をたくさん飲み、涼しい環境や水の近くで暮らすことがピッタのアンバランスを防ぐためには適しているでしょう。

プラクリティ次第で、外見にも影響があると考えられています。
ピッタの人の外見の特徴としては、体格は中肉中背の人が多いでしょう。
皮膚は日焼けしやすいような滑らかな肌目の色は青灰色緑色などの寒色系、体の関節の柔軟性が高い人が多いようです

ピッタ体質 生活の知恵

食事

  • 朝食にはフルーツを
  • 塩辛いものや刺激のある食事は避けましょう
  • 白湯は温かめに
  • 食後は自然の中での散歩がオススメ

マッサージ

  • 休息を十分に(気性が荒くなる)
  • 身体を冷たくしてくれる白檀やペパーミントをマッサージオイルに加えて

ヨガ

  • ゆったり人と比べずに
  • 柔らかな動きを意識して
  • 冷たい空気を取り入れられるシータリー呼吸法がオススメ
  • 形にこだわりすぎないで

Lesson3-4 カパ体質の特徴

カパ体質の心身

カパは「抱く」「まとめる」という意味をもつサンスクリット語です。

カパを構成する元素は、水と地であり、白色の性質を持っているといわれています。
水は体内で血液や消化液など体液を支配し、地は骨や歯など身体を支える部分を支配しています。
カパは月と宇宙現象でつながると考えられており、その特性は慣性です。3つのドーシャの中でもどっしり安定している要素であるといえます。

重さ・遅さなどの性質を持ち、どっしりと安定した性格、穏やかで寛大な心の持ち主、それがカパの人の性質です。

カパの人は、大地のようにしっかりと構え、我慢強く落ち着いています。着々と物事を成し遂げる力があり、持久力に優れています。
また、水の要素もあり、献身的で慈愛に満ちた一面もあるでしょう。

ただし、保守的な部分が強く、頑固になってしまいがち。早く話すことが苦手で、暗記力はあまりありません。

カパ体質のアンバランス

カパがアンバランスになり増悪していくと、心身ともに様々な不調が現れます。
精神面としては、怠惰になりあらゆることに鈍くなってしまいます。行動が大雑把になり、引きこもりがちに。我慢強さが反対に執念深さや執着を生んでしまうことも。愛欲にもおぼれやすいので、注意しましょう。

また肉体面では、地の持つ重さにより、体が重く・だるく感じるようになるでしょう。いつまでもだらだらと眠ってしまったり、少しの食事でも太ってしまいます。

むくみやすく、アレルギー鼻炎にもかかりやすいのがカパ体質の人。呼吸器疾患・糖尿病・関節疾患には特に注意しましょう。

カパがアンバランスになる原因として1番に挙げられるのは、刺激の不足です。生活の中で刺激が少ないと怠惰になりがちです。
また、食べ過ぎ・眠りすぎも原因だといえます。甘味や糖分、塩味はカパを増大させます。
また、冷たくじめじめした環境もカパのアンバランスを引き起こします。

プラクリティ次第で、外見にも影響があると考えられています。
カパの人の外見の特徴としては、体格はがっちりとした重さのある人が多いでしょう。
皮膚はオイリーで髪は量が多く艶やか、骨太で体力のある人が多いようです

カパ体質 生活の知恵

食事

  • 食事量は少なめに
  • 脂や冷たいものは避けましょう
  • 晩御飯は早めに
  • 寝る前は白湯だけ飲むようにしましょう

マッサージ

  • オイルは使用しない
  • 指圧やガルシャナ(絹の手袋で身体をこする)がオススメ

ヨガ

  • 激しめのポーズを取り入れて
  • 太陽礼拝は必ず行いましょう
  • 身体を温めるカパラバティ呼吸法がオススメ
  • 日常的に運動を取り入れて

Lesson3-5 複合体質の特徴

前述したように、3つのチェックリストの中で2つが同じくらい多く当てはまる場合は、2種類のドーシャがアンバランスになりやすいタイプの人です。これらのタイプの人は2種類のドーシャの長所短所それぞれを併せ持っていますので、その特徴を解説していきます。

ヴァータ&ピッタ複合タイプ

ヴァータとピッタはどちらも「軽い」という特徴を持ちます。ですので、その性質が強調されますが、ヴァータの風のエネルギーとピッタの火のエネルギーそれぞれを併せ持ちます。
風は冷たく、火は熱いという両極端な性質を持ちますので、冷え症ながらも暑いところが苦手な人が多いでしょう。

食欲旺盛ですが、冷えの体質から胃腸はそこまで強くありません。
また性格面では、分析力に優れ、想像力豊かだといえます。しかし、過度なストレスがかかると、不安と恐怖が交互に押し寄せてくる傾向にあります。ヴァータの季節(秋から冬)、ピッタの季節(夏から初秋)のどちらも体調を崩しやすくなりますので注意しましょう。

カパ&ヴァータ複合タイプ

カパとヴァータはどちらも「冷たい」性質を持ちます。心身ともに冷たさには弱い特徴があります。背が低めの方ややせ形の人が多いでしょう。冷え症や便秘、鼻炎やガンには気を付けてください。

性格面では、ピッタの要素が少ないため、言いたいことを言えずに我慢してしまう人が多いようです。また、カパの慈悲深さゆえに、争いを好まない人がこのタイプの特徴だといえるでしょう。
カパの地のエネルギーとヴァータの風のエネルギーは相反する性質を持ちます。そのため、言動に統一感がなく、あまり考えずに結論を出してしまうところがあるでしょう。
初春に体調を崩しやすくなりますので、注意しましょう。

ピッタ&カパ複合タイプ

ピッタの火のエネルギーによる代謝の良さと、カパの地のエネルギーによる安定感により、暑さにも寒さにも強い丈夫な体を持つのがこのタイプの特徴です。ただし、火と地に共通する「油性」などの特徴から、肥満しやすい体質を持っています。

精神面でも、ピッタの注意深さとカパの頑固さがうまくバランスを保ち、安定している人が多いでしょう。
しかし、自信過剰に陥りやすく、仲間が少ない傾向にあります。
梅雨や台風などのジメジメした時期に体調を崩しやすいので注意しましょう。

ヴァータ・カパ・ピッタ複合タイプ

このタイプの人は、3つのドーシャそれぞれの特徴をうまく併せ持つ大変珍しい人です。
時には風のように軽やかに、そして大地のようにどっしりと、火のように熱く鋭く、それぞれの良さを表現することが出来ます。しかし、反対に考えると、3つのドーシャのどれもがアンバランスになりやすい体質です。
基本的には、標準的で病気になりづらいのですが、どの季節でも体調を崩しやすいので気を付けましょう。


以上のように、プラクリティはほとんどの人が複合タイプに当てはまります。

優勢なドーシャの特徴を知ることで、自分自身の体質や性格を知ることが出来ます。また、各ドーシャには対応する季節・時間・年齢があります。それらを把握することで、自分自身の優勢ドーシャがどんな時にアンバランスになりやすいかを知ることが出来ます。

次のセクションでは、ドーシャの対応する季節・時間・年齢についてさらに詳しく学びましょう。

Lesson3-6 季節・時間・年齢によるドーシャの変化

前述した3タイプの中であなたが当てはまるドーシャタイプ、それは最もあなたがバランスを崩しやすいドーシャです。

アーユルヴェーダでは、季節や時間、年齢の流れにも各ドーシャが優性になるサイクルがあると考えられ、どの本質を持つタイプの人でもその影響を受けると考えられています。

季節による心身の変化

この世界を構成するとされる5元素(地・水・火・風・空)は、季節の変化にも左右すると考えられています。それらの季節の変化の仕組みと特徴を理解することで、心身の不調に対応することができます。

春はカパの季節といわれています。それまで降り積もっていた雪が解け始め、大地が潤い、草木が目を出す。春は水と地のエネルギー(カパ)が増大する季節なのです。
冬の間に蓄積した油分や水分が原因で、体がだるく感じられることが多いでしょう。
また、カパ(水分)の過剰分泌は花粉症の原因であるとも考えられています。

夏~初秋

夏~初秋は暑い季節ですので、火のエネルギーが高まるピッタの季節といわれています。
エネルギーに溢れ、代謝の上がった体は疲れやすくなるでしょう。体を冷やすことは大切ですが、冷やしすぎには注意。体内の水分が増えすぎてしまうと、水と火のエネルギーがぶつかり、下痢や食欲不振を引き起こすこともあります。

秋~冬

風のエネルギーが高まり、冷え込む秋~冬にかけては、ヴァータの季節だといわれています。
空気は乾燥し、大地も冷え込みます。
冬は冷たい風邪との接触で消化の火(アグニ)が強くなる季節で、消化力が高まるため、食欲旺盛になりますが、水分や油分の多い食事には注意しましょう。

保湿・保温も大切。乾燥性皮膚炎や便秘に気を付けましょう。

時間別ドーシャの変化

1日の中でも、早朝から夜中にかけて、それぞれのドーシャが高まる時間帯は異なります。
時間別に受けるドーシャからの影響を把握することで、快適な1日の過ごし方が見えてきます。

6:00~10:00 朝のカパの時間帯

地と水のエネルギーが高まる時間。みずみずしく潤った時間は1日の始まりを感じさせます。しかし、カパが増大すると、体がだるくて重く、強い眠気が出てしまいます。

10:00~14:00 昼のピッタの時間帯

火のエネルギーが増す時間。集中力が高まり、行動も積極的になります。代謝が高まり、食欲も増幅。しかし、ピッタが増えすぎるとイライラしたり怒りがちになってしまうので注意。

14:00~18:00 昼のヴァータの時間帯

風のエネルギーが増す時間。行動力が高まります。しかしヴァータの影響を受けすぎると、衝動的な行動をとってしまったり、根拠のない言動をしてしまいがち。

18:00~22:00 夜のカパの時間帯

夜になり、また地と水のエネルギーが高まるカパの時間。この時間は静かに過ぎていきます。眠りへの準備に取り掛かりましょう。

22:00~2:00 夜のピッタの時間帯

夜に火のエネルギーが高まるこの時間帯は、成長ホルモンの分泌が高まります。代謝も高まりますので、しっかりと睡眠をとりましょう。成長や美肌を促す時間帯。

2:00~6:00 早朝のヴァータの時間帯

風のエネルギーが再び高まるこの時間は、気持ちも翻弄されて目が覚めやすい時間帯。瞑想やヨガを行うとよいでしょう。

年齢別ドーシャの変化

季節や時間には、それぞれドーシャの高まりのサイクルがあることを前述しましたが、これは人の一生にも当てはまります。

若年期(0歳~30歳)カパの増えやすい時期

壮年期(30歳~60歳)ピッタの増えやすい時期

高齢期(60歳以上)ヴァータの増えやすい時期

若年期では、地と水のエネルギーにより、体の基礎部分が成長します。これらのカパが過剰すぎると、小児喘息になりやすいといわれています。

壮年期は、火のエネルギーが高まり、メラメラと活動的な時期です。働き盛りでもありますが、ピッタが増大すると闘争心が激しくなりすぎるため注意しましょう。

高齢期では、風のエネルギーにより、髪や肌などが乾燥しやすくなります。それを補うように、この時期には水分補給をしっかりとるのが良いでしょう。

Lesson4-1 心身のエネルギー「ドーシャ」と「グナ」

心のエネルギー「グナ」

前セクションでも解説しているように、アーユルヴェーダにおいて、人の体のエネルギーは「ドーシャ」と呼ばれています。
人は3つのドーシャから成り立っており、その体質は、受胎した時の両親のドーシャの状態やその他の要因で決定されると考えられているのです。

それに対し、心のエネルギーは「グナ」と呼ばれます。グナには、サットヴァ(純性)、ラジャス(動性)、タマス(惰性)の3つの性質があるとされています。

この中で、ラジャスとタマスは増加すると心身の乱れを引き起こすと考えられており、反対に「純性」の性質を持つサットヴァは増加することで身体のドーシャのバランスを保ってくれると考えられています。

ラジャスは「動性」の性質があるため、増加すると怒りっぽくなったりします。
それによって、ドーシャにも影響を及ぼすとされ、ピッタとヴァータを増大させてしまいます。

タマスは「惰性」の性質があるため、増加すると怠惰になって無気力になってしまいます。
さらに、カパを増大させるという特徴を持ちます。

これらと反対に、サットヴァは「純性」の特徴を持つため、増大するとドーシャのバランスを整えるように働いてくれます。

  • ラジャス(動性):ヴァータとピッタを増大
  • タマス(惰性):カパを増大
  • サットヴァ(純性):ドーシャのバランスを調整

ラジャス

ラジャスが働いている心とは、頑張り屋さんで一生懸命な状態を示します。

しかし、これが増大してアンバランスな状態になってしまうと、怒りっぽくなり、心が荒くなってしまいます。
感情を左右できなくなったり、頑張りすぎてエネルギーを消耗してしまい、他人と比べてばかりしてしまうでしょう。

タマス

タマスが働いている心とは、怠け者な状態で、常に眠気やだるさを感じ、動くことをあまりしません。

これが増大してしまうと、執着心が強まり、過去の出来事をいつまでも根に持って引きずってしまったりするでしょう。

サットヴァ

サットヴァが働いている心とは、純粋でまっすぐな生まれたての赤ちゃんのような状態です。

サットヴァで心のバランスが保てている人の特徴としては、安定していて物事を公平に見る事ができ、正確な判断を下す事が挙げられます。
また、誠実な道に従い、向上心があります。

しかし、この状態を保てている人は非常に稀なタイプでしょう。
自信があり、やりたい事や目標を明確に持っているのも特徴です。

私たち人間は誰しも、これらの3つの性質をすべて持ち合わせていると考えられています。
対人関係や食物により、ストレスや負担を感じることで、これらの性質のバランスは崩れてしまいます。
心のエネルギー「グナ」のバランスを保つためにも、自分自身の身体を知り、向き合うということは非常に大切であるのです。

20種類のグナ

前述した、3つのグナは、3という意味を持つ「トリ」を付けて、「トリグナ」と呼ばれることがあります。

トリグナは本質的であり、心のエネルギーの基礎となるものです。
アーユルヴェーダでは、この3つのグナ以外にも、宇宙に20種類のグナが存在すると考えられています。

  • 重いー軽い
  • 遅いー速い
  • 冷たいー熱い
  • 油っぽい、すべすべー乾燥
  • 滑らかー粗い
  • 固体ー液体
  • 軟質ー硬質
  • 静か、不動ー動く
  • 小さい、微細ー大きい、粗大
  • 濁った、粘質ー純粋、不粘質

これらのグナは3つのドーシャの質にも当てはまります。

次のセクションからは、これらの性質がどのように乱れて病気になるのかを考えていきましょう。

Lesson4-2 消化と代謝のエネルギー「アグニ」

健康から病気になるまで

Lesson1でも触れましたが、アーユルヴェーダでは病気になる前の状態を「未病」と位置づけ、病気の症状が顕在化するまでに早く対処することを治療としています。

アーユルヴェーダにおいて、健康な状態と病気になっている状態の間は、はっきりと線引きされていません。
病気になるまでの段階には7段階の細分化された状態があると考えられています。

  1. 健康
  2. 蓄積
  3. 増悪
  4. 播種
  5. 局在化
  6. 発症
  7. 慢性化

西洋医学を基とする現代の医療では、「6.発症」以降が病気の状態であるとはっきり位置付けられています。しかし、アーユルヴェーダでは、その前の段階から病気の進行は進んでいると考えます。

エネルギーのアンバランスな状態が続くことで、じわじわと病気になると考えられており、発症していなくても、病気予備軍の状態である人は大勢いると考えるのです。

2.蓄積

日々のストレスや食生活の乱れにより、体内エネルギーのアンバランスを引き起こし、それが体内のある特定の部分に蓄積している状態です。不眠や軽度の便秘もこの状態に当てはまります。

3.増悪

蓄積の状態がさらに悪化した状態です。じわじわと体の調子が悪くなり、病気の兆候が現れ始める時期でしょう。ガス溜まりによる腹痛や重度の便秘はこの状態に当てはまります。

4.播種

増大したドーシャが身体中を動き回る状態です。体のあちこちで不調が起こりますが、自覚症状が現れにくい時期でもあります。肌の乾燥などが症状の一つとしてあげられます。

5.局在化

増大したドーシャが、体の特定の部分にとどまり、深刻化した状態です。体の不調がわかりやすく生じます。関節痛などはこの状態に当てはまります。

アーユルヴェーダでは、「未病」の段階にも、これらの細分化された状態があるとされています。

発症してから治療を始める西洋医学とは異なり、「蓄積」の段階から小さな病気の兆候を見つけ、対策を行うことで健康の維持・増進を目指すのが、アーユルヴェーダ医学なのです。

アグニの働き

アグニは「消化の火」という意味で、体内のあらゆる消化・代謝機能をつかさどっていると考えられています。
アグニが正常に働いているときには、体内のあらゆる機能がうまく作用します。
アーユルヴェーダ医学で病気を考えるときに重要なポイントのひとつがこの「アグニ」なのです。

アグニは体内に13種類存在すると考えられています。
その中には、胃で作用する「ジャータラ・アグニ」、肝臓で働く「ブータ・アグニ」などがあります。

アグニは消化機能だけではなく、肝臓・膵臓・胆のう・唾液腺など、食物を燃焼・変換・排出するための器官や部位にも影響しています。
これらを踏まえると、「酵素」とも捉えられますが、酵素そのものというよりは、酵素の作用を促すエネルギーがアグニだと考えるとわかりやすいでしょう。

アグニのバランスはドーシャのアンバランスにより崩れます。
それぞれのドーシャがアンバランスになり、アグニに影響すると、以下のような体調の変化が現れます。

  • カパの過剰→消化作用低下・怠惰な感情
  • ヴァータの過剰→鼓腸や痙攣・便秘・下痢
  • ピッタの過剰→湿疹・口内炎・胸焼け

アグニの不調が原因で消化不良を引き起こすと、病気の原因とされる毒素「アーマ」が生じてしまうのです。
アーマは舌を覆う白苔として見られることもありますが、血管を塞いでしまったり、重大な病気の原因にも成り得ます。

精神面におけるアグニの作用

アグニは、食物の消化だけではなく、人の心にも作用すると考えられています。

トラウマや思い出したくない過去の記憶、思い出を消化してくれるのも、アグニの役割なのです。

アグニがうまく作用していると、綿密な計画を立てたり、難解な問題を解決できるようになります。
日々のストレスや、抱えきれない気持ちが大きくなるとアグニがバランスを崩し、心のアーマ(毒素)が生じてしまいます。
アーマが蓄積してしまうと、PTSDなど精神障害の原因になるともされています。

Lesson4-3 生命エネルギー 活力素の「オージャス」

7つのダートゥのバランス

ドーシャのアンバランスが起こると、体内の7つのダートゥのバランスも崩れます。

7つのダートゥ

  • ラサ(血漿・リンパ)
  • ラクタ(血液)
  • マーンサ(筋肉組織)
  • アスティー(骨組織)
  • マッジャー(骨髄組織・神経組織)
  • メーダ(脂肪組織)
  • シュクラ(生殖組織)

ヴァータ→骨組織
ピッタ→血液
カパ→血漿・リンパ・筋肉組織・脂肪組織・骨髄組織や神経組織・生殖組織
に関係します。


ラサ(血漿・リンパ)

健康な状態:肌につやがある・喜びややる気がみなぎる・集中力がある

アンバランスな状態:吐き気・うつ状態・全身倦怠感

ラクタ(血液)

健康な状態:感覚が敏感・唇や爪の色が良い

アンバランスな状態:黄疸・発疹・出血異常・膿瘍

マーンサ(筋肉組織)

健康な状態:体力がある・精神的に安定している

アンバランスな状態:無気力・虚無感と不安

アスティー(骨組織)

健康な状態:骨や歯・爪や関節が丈夫 楽観的

アンバランスな状態:関節硬化・歯が弱る・抜け毛が多くなる

マッジャー(骨髄組織・神経組織)

健康な状態:免疫機能が高い・満ち足りた幸福感

アンバランスな状態:骨や関節に痛みが出る・疲れやすい・目眩

メーダ(脂肪組織)

健康な状態:安心感・愛情や友情を感じやすくなる・皮膚や髪や目が潤う

アンバランスな状態:疲労感・関節の痛み ・体重減少・乾燥・ 爪や髪や歯や骨の痛み

シュクラ(生殖組織)

健康な状態:性欲旺盛

アンバランスな状態:性欲減退・生理不順・精神的にエネルギーがない

生命エネルギー「オージャス」の働き

以上の7つのダートゥが一緒に作用して、オージャスという活性素を作り出します。
オージャスは究極の生命エネルギーと呼ばれ、心臓の中にあると考えられています。(7つあるチャクラの内の1つ)

全身に行きわたり、私たちに生きる源を与えてくれるエネルギーこそがオージャスなのです。
オージャスがあれば生きることが出来ますが、破壊されてしまうと私たちは生きていけません。
身体の一部のオージャスが弱まると、その部分から病気になり、治癒するためにはオージャスの回復が必要です。

このことから、オージャスは免疫機能の基盤であるともいわれています。

ダートゥの変換過程でオージャスは生まれますので、食物をはじめ、精神的な出来事もしっかり消化できるような生活をすることがオージャスを生み出すためには大切です。

オージャスのアンバランスは、過度なアルコール摂取やたばこ、生活リズムの乱れから起こります。怒りや悲しみなどの悲観的な感情からもアンバランスは引き起こされます。

また、良質なオージャスを生み出すためには適した食生活が必要不可欠です。

肉やチーズ、乳製品や卵、加工製品や脂っぽいものなどの食品ばかりを食べていると、オージャスは生成されにくくなってしまいます。また、塩分や糖分の高い食事もオージャスの生成を妨げます。食べ過ぎや食べる時間によっても消化不良が起こり、オージャスの生成に良くありませんので注意しましょう。

Lesson4-4 健康(幸福)度チェックリスト

本当の健康とは

アーユルヴェーダにおいて、健康な状態を考えるとき、肉体的な健康面だけでなく、精神的な幸福度にも大きな重点を置きます。

  1. ドーシャのバランスがとれている
  2. 食欲旺盛である
  3. 排泄機能が良好
  4. 組織の生成に異常がない
  5. 魂が幸福感で満たされている

以上の5つの項目が健康かどうかを考えるときの物差しとなります。

1~4は肉体的な健康状態に関する項目ですが、5は心の奥底からの幸福感による精神的な健康状態を指しています。

魂が幸福感で満たされていることこそが健康そのものであるのです。
健康という事は幸福なことでもあります。

以下では、現在の生活において自分自身の幸福度を知ることが出来るチェックリストを紹介します。
自分自身の状態を客観的に捉えることは非常に大切です。
最近2週間ほどの自身の状態を思い出して質問に答えてみてください。
50点満点中、どれくらいあなたが健康(幸福)であるのか目安にすることが出来ます。

Lesson5-1 アーユルヴェーダを取り入れた生活(脈診)

脈診

脈診での気づき

伝統医学において脈診は病状を当てる占いの様に捉えられることが多いのですが、「当たる」「当たらない」という考え方は少し古いように感じます。

脈診は、私たちの生活の中でもっと身近な健康管理方法であり、やり方さえ慣れてくれば、少しの体調の変化にもいち早く気づくことが出来るのです。

アーユルヴェーダでは、病気の根源や傾向をいち早く見つけ出すことが重要だと考えられていますので、脈診による自己診断を毎日行うことは、生活の中で欠かせない行為なのです。

脈診のやり方

アーユルヴェーダでは、男性は右の手首、女性は左の手首で脈診を行います。
右手首には太陽のエネルギーが、左手首には水のエネルギーが優勢に働いています。

それぞれ、脈診する手とは反対の手で橈骨動脈を測ります。
手首の側面にある尖った骨(橈骨茎状突起)の下に、測る指を人差し指・中指・薬指をぴたりとくっつけて触れてみましょう。
この時、人差し指はヴァータ、中指はピッタ、薬指はカパを測るための指であると考えてください。

この触れ方で、触れる指の深さを5層に変えながら脈診を行い、様々な体調の様子を知ることが出来ます。


①最表層:軽く触れてみて、脈の状態が第一印象でアーマ(不明瞭・重い)かオージャス(明瞭・軽い)かどちらの性質なのかを診ます。

②第2層:3本の指に感じる強さと感覚を診ます。正常であれば、人差し指には横に動く脈、中指には上下に動く脈、薬指にはゆっくりと波打つ脈が感じられるはずです。これらの感じ方が違った場合、その指に対応するドーシャが増大していると診断できます。

③第3層:サブドーシャを診断できる層です。3本の各指先(人差し指・中指・薬指)を細かく5か所に分けて(図1)、それぞれの状態を観察し、今の身体の状態を予測します。(医師の領域・自己診断では難しい)

図1)第3層で脈診を行う際の指先の分け方

④第4層:ダートゥ(組織)の状態を観察できる層です。3本の指の感覚が同じかどうか、強さや速さをじっくりと観察します。(医師の領域・自己診断では難しい)

⑤第5層:プラクリティを知るための層です。3本の指にかかる力の強さや作用で、本質を知ることが出来ます。(医師の領域・自己診断では難しい)

Lesson5-2 ヨーガを取り入れた生活(ポーズ)

近年、健康増進法やダイエット法として日本でも人気を集めているヨーガの起源は、アーユルヴェーダと同じヴェーダ(宗教文書)にあります。

ヨーガにも種類は様々あり、ハタヨーガ・バクティヨーガなどが存在します。

ヨーガは難しいイメージや体が柔らかい人が行うイメージを持つ人が多くいますが、実はもっと簡単で、誰もが暮らしの中で行えるものなのです。

ヨーガはポーズ・呼吸法・瞑想という3つの要素から構成されています。

ヨーガを行う本来の目的は、ダイエットではなく、内に秘めた自分自身に気づくことです。
一説では、瞑想を行うためにポーズをとるようになったことがヨーガの始まりであるともされています。
ですので、体の柔らかさは関係なく、いかに自分自身と向き合えるかを考えましょう。

また近年では、ヨーガの実践により、生活習慣病の予防や、老化進行を遅らせることが出来るということが分かっています。
自分自身の体と心のケアとして、生活の中に取り入れることをオススメします。

ヨーガ(ポーズ)

アーユルヴェーダ的な考えからすると、ポーズも5元素(地・水・火・風・空)に分けられます。
つまり、季節や体調・ドーシャの状態によって、行うポーズを変えることが出来るのです。

ポーズを行う際の注意点

  • 動きやすい服装で行いましょう
  • 基本の呼吸は鼻から吸い、鼻から吐きます
  • 空腹時に行いましょう
  • 体調のすぐれないときは避けましょう

太陽礼拝

自宅で行うのに最も適したポーズが太陽礼拝のポーズです。
動きが流れるように美しく、1日の始まりにはぴったりのポーズです。
毎朝2回行うとよいでしょう。

①まっすぐ立ち、呼吸を整えるために大きく息を吸って吐く。

②息を吸いながら、目線を上げ、両手を上げて合掌する。

③吐く息で胸から前屈。ももの上にお腹を預けて上半身は脱力する。

④次の吸う息で半分の前屈に戻す。背筋と足を伸ばします。

⑤手を床につき、右足、左足を一歩ずつ後ろに蹴り出し、吐く息で、身体の8点(両手・両つま先・両ひざ・胸・顎)を床につける。大地から太陽熱を吸収します。息を止めましょう。

⑥息を吸いながら、上半身をそらせる。(犬のポーズ)

⑦吐く息で足を後ろに引いて、体で山の形を作る。5呼吸キープ。

⑧吐く息で目線を斜め上へ、吸う息で足を一歩ずつ前へ出し、半分の前屈に戻る。

⑨吐く息で、お腹とももを近づけ、前屈をする。

⑩吸う息で、両手を持ち上げながら頭上で合掌する。

⑪吐く息で合掌を胸の前まで下ろし、まっすぐ前を向きます。

朝のポーズ(カパを減少させる)

朝は身体が重く、動きも停滞してしまいます。1日の始まりを前向きにスタートできるような、スッキリするポーズをご紹介します。

猫のポーズ

①両ひざ・両手が肩幅になるように地面につく。息を吐きながら、背中を丸めてお腹をへこませる。顔は下向き。

②息を吸いながら顔を上げ、胸を開き、身体をそらせる。

①と②を数回繰り返す。

夜のポーズ(ヴァータを落ち着かせる)

夜は穏やかな気持ちで過ごす時間。落ち着かずにそわそわしてしまう時にはこのポーズを実践しましょう。

鋤(すき)のポーズ

①両足をそろえて仰向けになり、息を吸いながら約90度まで両足を上げる。

②息を吐きながら、上げた足を胸の方へ引き寄せる。

③そのままお尻を上げ、つま先を頭の向こう側へ。自然な呼吸を意識する。

④手は後ろに伸ばして組む(小指が下)

⑤足指がつかない場合は、45度程度でキープする。
戻る際に手を解放し、床に手のひらを置く。少しずつ上体を持ち上げ、背骨を一本ずつ下ろすイメージで、腹筋を使い足を下ろしていく。


基本的な ポーズをいくつかご紹介しました。

健康づくりに役立つヨガのポーズはまだたくさんあります。

より詳しくヨガのポーズを学びたい方は、”ヨガインストラクター資格取得講座”をご検討ください。

Lesson5-3 ヨーガを取り入れた生活(呼吸法・瞑想)

呼吸法(プラーナーヤーマ)

ヨーガは呼吸を整えるために行うもので、正しい呼吸は心を落ち着かせてくれます。
呼吸法は「プラーナーヤーマ」と呼ばれており、「生命力の制御」という意味が語源です。

現代人は、正しい呼吸法を忘れてしまっている人が非常に多く、本来の呼吸法よりも呼吸が浅くなってしまっています。
浅い呼吸は脳内の酸素を不足させます。酸素不足は、頭痛や疲れの原因ともなりますので、しっかりと酸素を吸い込むことは非常に大切なのです。

片鼻呼吸(ナーディーショーダナー)

右の鼻孔は活動的・陽・理性に関係しており、左の鼻孔は消極的・陰・感情的という意味を持つとされています。

ヴァータタイプ・カパタイプの方は、右の鼻から息を吸い、左の鼻から息を吐くと、パワーがみなぎり、バランスを保つことが出来ます。

ピッタタイプの方は反対に、左の鼻から息を吸い、右の鼻から息を吐くことで、理性を保ち、落ち着くことが出来ます。

ヴァータを鎮静する呼吸法

ヴァータが過剰になり、気分が落ち着かず、そわそわしてしまうような時は、この呼吸法が効果的です。

楽な姿勢で座り、両掌を目の上に置きます。この時指先は眉間の当たりに来るようにしましょう。
鼻から息を吸ったら、鼻から息を吐きます。このときに「んー」という声を出しながら息を吐きましょう。
自分の声が眉間のあたりで響くのを感じます。
これを3回繰り返します。

カパを鎮静する呼吸法

カパが過剰になり、無気力で何もやる気が起きないときには、この呼吸法が効果的です。

楽な姿勢で座り、お腹に手を当てます。鼻から息を吸い、「フッ」という声を出しながら、勢いよく短い息を鼻から吐きます。この息を吐くタイミングに合わせて、お腹を手で押さえましょう。
これを30回程度行います。

ピッタを鎮静する呼吸法

ピッタが過剰になり、イライラしてしまったり、闘争心が過剰になってしまう時には、この呼吸法が効果的です。

楽な姿勢で座り、舌を丸めて口先から出します。まず肺にあるすべての息を吐きだしたら、口から5秒かけてしっかりと息を吸い込みます。吸った冷たい息で身体がクールダウンされることを感じながら、ゆっくりと体に呼吸を行きわたらせます。その後はゆっくりと息を吐きましょう。

呼吸法をしっかりと行うためには、周囲の環境や気持ちも大切です。

慣れるまでは、静かで心が落ち着く場所で行いましょう。

また、呼吸を吸い込むときには、明るいエネルギーを取り込むようなイメージで、呼吸を吐き出すときには、体の中の悪い気や毒素をすべて吐き出すようにしましょう。

はじめのうちは、吐く息のほうに重点を置いて行うと、しっかりと深い呼吸が出来ます。
普段何気なく行っている呼吸に意識を向けることで、自分自身と向き合うことが出来ます。
体調の変化にもいち早く気づくことが出来るようになりますよ。

Lesson5-4 マルマ療法

マルマとは

マルマとは「急所」という意味の言葉で、元来人を傷つけるために利用されていました。
マルマ・ポイントを狙うことで、強く相手にダメージを与えることが出来るのです。

しかし近年、マルマ・ポイントへの適度な刺激は、人に心地よさや癒しをもたらしてくれることが分かっています。
病気を癒したり、体調を整える効果があるため、現在では「マルマ療法」という治療さえも誕生しているのです。

マルマ療法では、マルマ・ポイントにオイルを垂らしたり、塗ったり、マッサージをしたり、ストレッチでほぐしたりを行います。こうすることで、循環的な変化や体調の変化、精神的な変化まで感じることが出来るのです。

マルマは筋肉・静脈・動脈・腱・骨が交わる場所で、全身に107か所あるとされています。そのうち体の中心部にある額・心臓部分・へその下部分の3か所のマルマは損傷すると致命的なマルマです。

マルマの中には、チャクラという体内の7つのエネルギーセンターとリンクしているものがあります。マルマ療法では、チャクラへの効果もありますので、大いに活用されています。

例えば、眉間に温めたオイルを垂らすと究極の癒し効果があり、心が安らぎますが、ここはチャクラとリンクしており、強く打たれると死んでしまうほどの急所です。(シローダーラーという)

マルマ療法では、ポイントに圧を加えることがありますが、鍼を使う場合と使わない場合があります。
中国の鍼治療に類似していますが、マルマの方がポイントが大きく見つけやすいという特徴があります。

マルマは損傷してしまうと致命的なダメージを与えられることになりますので、施術に関しては、マルマの知識をしっかりと持った医師や専門家にしてもらうようにしましょう。

マルマとヨーガ

マルマ・ポイントはまさにヨーガで伸ばしている個所と同じです。
特に、ハタヨーガと呼ばれる体操ヨーガはマルマ・ポイントを重点的に刺激します。

近年では、多くのヨーガインストラクターが誕生していますが、マルマは人の急所にもなりうる場所です。
指導方法次第では、命に関わる損傷を受ける可能性もあるのです。

しっかりとマルマの概念とヨーガとの関連性を理解することは、インストラクターには不可欠であるといえるでしょう。

マルマに働きかけるポーズ

蓮華座

「蓮の花」という意味を持つ瞑想のポーズです。
股関節の柔軟性が求められます。膝に痛みがある場合は行わないようにしましょう。

両太ももの上で足の裏が上を向くように、足を組みます。
マルマを閉じて守るのに役立つポーズです。

英雄のポーズ

マルマを開いて伸ばし、エネルギーを感じることが出来るポーズです。

①右足を一歩後ろに引き、かかとを一直線上に置きます。※腰が斜めにならないよう、体を正面に向ける。左足を外側に向けると体を正面に向けやすくなります。

②次に、足先と膝を同じ方向に向け、吐く息で膝を前に曲げます。もっと足が踏み込めそうな場合は、前足を前に出しましょう。※かかとを浮かせずに、かかとから膝が一直線上になるように

③最後に、吸う息でお腹から手を上にあげます。肩の力みは吐く息で解消し、数度呼吸を繰り返していきます。※腰を反らしすぎないように、お尻の穴を下に向けましょう。

ポーズをキープし、深く呼吸を繰り返しましょう。

Lesson6-1 アーユルヴェーダにおける食事とは

「医食同源」という考え方

アーユルヴェーダにおいて、食事は健康に対して非常に大切な役割を持つと考えられています。
正しい食事は健康な体を作り、間違った食事は病気を引き起こします。
これは心に対しても同じことが言えます。
正しい食事は健全な心を作り、間違った食事は澱んだ気持ちを生み出してしまうのです。

まさに食事は医療そのものです。

正しい食事に気を付けていれば、薬も必要ないと考えられています。

近年、菜食主義や糖質制限など、あらゆる食事法が登場していますが、アーユルヴェーダ食事法がそれらと全く異なる点は、個人の体質に合わせて、個性を尊重して考えられているという事です。

自分自身の体質を知り、体と向き合うというアーユルヴェーダの本質は食事にも当てはまります。
自分に合った食事法は人それぞれ違います。
その点を理解して、アーユルヴェーダの食事法を学んでいきましょう。

食物の消化(オージャス・アーマ・アグニ)

私たちの体の中に取り入れられた食物はどのように消化されるのでしょうか。
食物からの栄養素により、栄養液(乳白色のリンパ液)が作られます。
この栄養液は、体内で徐々に組織を形成していきます。

血液→筋肉→脂肪→骨→骨髄→精子・卵子

全ての組織が形成されたのちに「オージャス」という生命エネルギーが誕生します。

オージャスは免疫力を高め、病気になりにくくしてくれます。
また、オージャスの力で心も前向きに明るくなれます。

オージャスはたくさんの食物を吸収した中から、ほんのわずかしか生成されません。
生命エネルギーが凝縮された結晶のようなものなのです。
ですので、オージャスをできるだけ多く生成できるように食事をすることが大切です。

また、うまく消化・代謝が行われないとオージャスの生成がうまくいきませんので、消化・代謝能力を高めることも重要なのです。

毒素アーマと消化力アグニ

食物の消化がうまく機能しているとオージャスがたくさん生成されますが、うまく機能していないと養分が体内に残り、「アーマ」という毒素を生み出してしまいます。
アーユルヴェーダにおいてアーマは万病のもとであると考えられています。

アーマは舌の上の白い苔として現れたり、身体の中を動き回り、弱っている部分を見つけるとそこに居座り、循環経路を止めてしまいます。
これにより、痛みやコリが発生してしまいます。
アーマが出来ると消化力がさらに落ち、次のアーマを生成してしまいます。
この悪循環に陥ると病気になりやすくなってしまうのです。

消化する力のことを、アーユルヴェーダでは「アグニ」といいます。
アグニとは火を意味する言葉で、食物を燃焼したり、変換、排出する過程にかかわっています。

消化酵素は低い温度ではうまく働きません。また、食べ物を食べすぎてもうまく働きません。
この様子はまさに火の性質に似ています。
火に水をかけて温度を下げると、火は消えてしまいますし、原料である薪を多く入れすぎても火はうまく燃えませんよね。
これを体内に置き換えると、冷たい食物や飲み物はアグニ(消化の火)の力を弱め、食べ過ぎはアグニ(消化の火)をうまく働かなくしてしまうという事です。

アグニはドーシャのバランスの影響をうけます。
例えば、カパが過剰になってしまうと、アグニのバランスが崩れ、消化が遅くなり、体は重くてだるい気持ちになります。
ヴァータが過剰になってしまうと、便秘と下痢が交互に発生したり、消化不良の状況に陥ります。

アグニ(消化の火)をうまく作用させ、オージャスを生成するためには、ドーシャのバランスを保つことが重要なのです。

Lesson6-2 アーユルヴェーダ食事法における「味」

6つの味と6つの性質

食物には、6つの味があるとされています。

  • 甘味・・・地、水
  • 酸味・・・地、火
  • 塩味・・・水、火
  • 辛味・・・火、風
  • 渋味・・・地、風
  • 苦味・・・風、空

アーユルヴェーダでは、世の中のすべてのものが5元素に分類されると考えますので、味も同様に5元素に分けられます。

また、食物には6つの性質があります。

  • 重性・・・チーズ、小麦など
  • 軽性・・・ほうれん草、りんごなど
  • 油性・・・油っぽいもの、乳製品など
  • 乾性・・・大麦、コーンなど
  • 冷性・・・冷たい飲み物、葉物野菜など
  • 熱性・・・温かい飲み物、スパイスなど

ドーシャと味の関係性

食物の味は「ラサ」と呼ばれ、ドーシャのバランスに影響をうけます。

ドーシャの考え方に「似たものが似たものを増やし、異なるものが異なるものを減らす」というものがあります。
ラサとドーシャの関係を考える際にも、この考え方が軸となります。

プラクリティと同じ元素を持つ味や性質の食べ物を食べると、そのドーシャは増大し、反対の性質を持つドーシャを減少させるのです。

例えば、熱性の食べ物はピッタを増やし、冷性の食べ物は、ヴァータとカパを増やします。
油性の食べ物は重いので、カパを増やします。

味についても同様で、甘味・酸味・塩味はヴァータを減らしてカパを増やし、甘味・苦味・渋味はピッタを減らします。

例外の性質を持つ食物

一般的に、火の性質を持つ食物は、体に熱を与えてピッタを増大させ、それ以外のドーシャを鎮めます。
しかし、中には例外の性質を持つ食物「プラーヴァ」というものが存在します。

プラーヴァの例として「アムラ(ユカン)」というインドの酸っぱい果実があります。
本来酸味は火の性質を持つのでピッタを増大させるのですが、この果実は反対に身体を冷やしてくれる効果があります。アムラほどの影響力はありませんが、レモンやライムにも同様の性質が少し見られます。
ピッタ体質の方で、ピッタが増大しているのを鎮めたいが、酸っぱいものが食べたいという時には活用できるでしょう。

また、はちみつもプラーヴァの一つです。
はちみつは甘味が強いので、本来ならば地と水の性質をもつカパを増大させますので、太りやすくなるはずです。
しかし、反対にカパを下げるという性質を持つため、ダイエットしたいけれど甘いものを食べたいという人には適した食物なのです。

次のセクションからは食事法を具体的に解説していきますが、プラーヴァの存在を頭に入れて考えるようにするとより理解が深まるでしょう。

Lesson6-3-① 正しい食事のルールと実践法

前セクションでも述べましたが、健康な体作りには、正しい食事をとり、アグニ(消化)の力をしっかりと保ち、アーマ(毒素)を体内にためないようにすることが大切です。

そのためには、正しい食事方法を身につけることが最も重要です。
身体によいものを食べていても、食べ方が間違っていると意味がありません。
以下では、正しい食事のとり方をまとめましたので、ぜひ今日から実践してみましょう。

①決まった時間に食事をとる

毎日、決まった時間に規則正しく食事をとることは、食事のルールの中で最も重要です。
毎日決まった時間に食事を取ることで、体内のリズムができ、消化のリズムもできてきます。
自然にその時間になるとお腹が空き、消化の準備がしっかりと整うので、アグニがしっかりと働く状態を保つことが出来ます。

また、食事はしっかりとお腹が空いてから(胃の中の食物が消化されてから)取るようにしましょう。
胃の中に前の食事の食物が消化途中で残ったまま次の食事をすると、胃の中に状態の違う食物が混ざってしまい、結果的に不完全な消化になってしまい、アーマを作り出してしまいます。

基本的に、前の食事と開けるべき間隔は3,4時間です。
その間に空腹が襲ってきても、それは本当の食欲ではない可能性が高いでしょう。
どうしても食欲が我慢できないときにはまず、水を飲んでみましょう。それで落ち着くようであればそれは本当の食欲ではありません。

反対に、決まった時間になっても食欲が湧かないときには、しょうがを食べたり、食欲増進に効くスパイスティー(クミン茶・アジョワン茶など)を飲んで、食欲が湧くように工夫しましょう。

理想の食事時間

それでは、具体的に何時に食事をするのが良いかを考えてみましょう。食べ方や食べるものについてはそれぞれのドーシャによって異なりますので、後の「体質別の食事法」にまとめています。

「Lesson3-6 季節・時間・年齢によるドーシャの変化」でも述べましたが、1日の時間帯にはそれぞれのドーシャが優勢になる時間帯があります。また、就寝時には胃の中に食べ物が残っていない状態が理想ですので、夕食は就寝の3,4時間前までに済ませましょう。それらの点を考慮し、逆算すると以下のような食事時間が理想であるといえます。

  • 朝食 7:00~8:00
  • 昼食 12:00-13:00
  • おやつ 15:00~16:00
  • 夕食 18:00~19:00

②適量の食事をとる

アーユルヴェーダでは、胃の中を4つに分けて考えます。
そして、胃の4分の2は固形物、4分の1は液体物で満たし、残りの4分の1は空けておくようにというのが理想とされています。
この理論で考えると、毎食の食事において胃の75%くらいを食事や飲み物で満たすようにという事になります。
よく日本では、「腹八分目」といいますが、その考え方と似ています。

食事の量に関しては、胃の大きさや体質は人それぞれなので、一概には言えません。
しかし、共通して大切だと言えることは、「次の食事までに消化できる量の食事をとる」という事です。
ほどよく心や気持ちが満たされ、話したり動いたりすることに支障がない程度が適量です。
食事が少なすぎると肌につやがなくなったりとトラブルが発生します。

しかし食べ過ぎはもっと身体によくありません。消化できないものを体内に残すと、アーマをたくさん生み出してしまいますので、食べ過ぎで動けないなどというようなことがないように、適量を心掛けて食事をとりましょう。

③食べる速度に気を付ける

食事のスピードは速すぎても遅すぎてもだめだといわれています。

速すぎると、しっかりと嚙めていない食物が胃の中に入り、消化が困難になります。
反対に遅すぎると、すでに消化が始まっている胃の中に新しい食物が入ってきてしまうため、消化にバラツキが生じてしまいます。

一般的に、1回の食事の時間は20分前後が良いとされています。

食後は、身体をリラックスさせ、胃に血液を巡らせて消化を促すことが大切です。
食後すぐの運動や入浴は、それを妨げてしまいますので避けましょう。
家に帰ったらまず入浴し、気分が落ち着いたら食事をとるようにするのが良いでしょう。
また、食後しばらくしてから、軽く散歩程度に運動を行うことは消化を促す効果があり、アーユルヴェーダにおいてもオススメされています。

Lesson6-3-② 正しい食事のルールと実践法

④温かいものを食べる

西洋医学においても、消化酵素は体温に近い温度で一番効力を発揮するとされています。
アーユルヴェーダにおいてもその考えは共通しており、冷たい飲食物はアグニの火を弱めてしまい、消化力を落としてしまします。

ですので、冷たい飲み物や、冷えた食べ物を食べるのは控えましょう。
温かい食べ物は、カパの増大を抑制し、便秘やお腹の張りを防いでくれます。

また、「おいしい」と感じて食べることは、消化にも良く、心にも良いとされています。
作り立ての温かい食事は、消化力が高まり、心も満たしてくれるのです。
ヨーガの教えにも、「精神の純粋性を守りたい人は、作ってから3時間以内の食事を食べるように」というものがあります。
これは、3時間を超えると食べ物は腐る方向へ向かい、悪いエネルギーが食事の中に蓄積されていくと考えられているからです。

実際に体調が悪く、気持ちがどんよりしている・元気が出ないといった不調を訴えるような人は、レトルト食品や冷凍食品・冷えた食事ばかりを口にしているというケースが多いでしょう。

⑤イライラした気持ちで食事しない

これは、1800年代にアメリカで発表された論文による結果なのですが、怒ったりイライラしながら食事をすると、胃の消化力が落ちるといわれています。

人の胃はピンク色の状態をしているのが良い状態なのですが、研究結果によると、怒ったりイライラすると、胃の中は青く悪い色になってしまうのです。青い色の胃は消化力が落ち、良くない状態です。この状態で食事をとっても、消化不良を起こしてしまいます。

また、ストレスや睡眠不足もアグニの力を不規則にしてしまい、食欲が湧かなかったり、食欲が自分でもわからなくなったりしてしまいます。
そんな時には、温かい飲み物やスープなどを飲んで胃を落ち着かせるのが良いでしょう。

⑥好きなものを食べるようにする

食事は単に空腹を満たすだけのものではありません。食事をとることで「おいしい」と心にも満足感を与えられることが大切です。

嫌いなものを無理にたべなさいという教えはアーユルヴェーダにはありません。
嫌いなものを無理して食べると消化力が落ちてしまうからです。
好きなものを規則正しく食べていると、消化のリズムが整い、自然と空腹がやってきて好き嫌いはなくなっていくはずです。

また、嫌いな人と食べる食事も良くありません。
アーユルヴェーダでは、食事をするときは五感を使って楽しめることが大切であるとされています。
おいしそうな見た目や匂い、それらがあってこそ心も満たされ、消化も活性出来る食事であるといえます。

⑦食事は瞑想である

アーユルヴェーダでは、食事は瞑想の時間であると考えられています。
食べることにしっかりと神経を集中させ、食べているこの時間を楽しみましょう。

また、食事を作ってくれた人の気持ちに思いを馳せながら食べるのも良いでしょう。
調理する人の気持ちによって、食事の味は変わるという考え方もあります。
食事を通して、作ってくれた人の気持ちが伝わってくるのです。お母さんの手料理は安心感があり、おいしいですよね。
気持ちのこもった家庭料理が体に一番だとされるように、思いのこもった料理は食べる人の心と体を幸せに健康に導いてくれます。

瞑想の様に、神経を集中させることで、それまで感じられなかった繊細な味の違いやうまみにも気づくことが出来ます。
食事中の会話はほどほどに、食べることを存分に楽しんで食事をするようにしましょう。

Lesson6-3-③ 正しい食事のルールと実践法

⑧自分に合ったものや旬のものを食べる

人には、遺伝的に受け継がれた食事の慣習があります。
慣れた食事は消化しやすいよう、体が順応しているのです。
海外に長く暮らす日本人が味噌汁を飲んで落ち着いたりほっとするのも、この考え方に当てはまるでしょう。

また、後天的に身についている慣習もあります。小さい時から慣れ親しんで食べているものは消化しやすいようになっています。
海外旅行に行って現地の食事をとりすぎ、体調を崩したことはありませんか?
どんなに体に良いとされるものでも、慣れていないものでは体は驚き、消化力が鈍ってしまいます。

反対に、その土地土地で食べるものを変えるような工夫も大切です。
例えば、日本の食事は熱をためやすい食材が多く使われているため、気温の高い国では合いません。
長く気温の高い海外で暮らす人が、日本食をやめて現地の食事を取り入れたことで過ごしやすくなったというケースもあるのです。

自分自身の身体の状態や体質、年齢や運動量などによって、食事の方法をうまく変化させることも大切であるといえます。

また、旬の食材を料理の中に取り入れることも大切です。
人は1年という季節の中に生きており、体の中にもサイクルが存在します。
季節によって各ドーシャのバランスも異なるので、それに合わせた食事をとることが大切です。

身の回りで取れる旬の食材には、その季節の優勢ドーシャの増大を抑えてくれるものが自然と多くなっています。
例えば、春の山菜は苦味があり、乱れやすいカパを落ち着かせてくれます。
秋に出てくる甘味のある果物はピッタの増大を抑えてくれるのです。

日本は四季の変化に富んだ国ですので、ぜひ季節ごとに食事を工夫して旬を取り入れましょう。

⑨食べ合わせの悪いものを避ける

日本でも昔から「鰻と梅干」など、食べ合わせの悪いものが言い伝えられていますが、アーユルヴェーダにも同じように食べ合わせの悪い食べ物があります。

その代表として、牛乳との食べ合わせがあります。
塩・果物・魚などは牛乳と食べ合わせが悪い食物だとされています。

他にもたくさん食べ合わせの悪い組み合わせが存在しますが、温度の異なる食事の食べ合わせにも注意が必要です。
熱いものと冷たいものを交互に食べたりすると、胃が驚き、消化力を落としてしまいます。

しかし、若い人や運動量の多い人にはあまり当てはまらない場合もあります。
これらの食べ合わせは続けることで体に悪影響を及ぼすとされていますので、一度の食事でそこまで大きな影響はありません。神経質になりすぎず、気を付けるようにしましょう。

また、複雑な調理法の料理も消化を妨げると考えられています。
例えば、揚げたり煮たりという工程の多い酢豚などが当てはまります。
これは、各工程で食物の鮮度が失われ、食べるころには良いエネルギーが残っていないという考えからです。
アーユルヴェーダでは、どのような食材でもシンプルな調理法が勧められています。

⑩6種類の味と少しの油をとる

前セクションでも述べたように、アーユルヴェーダでは6種類の味(甘味・酸味・塩味・辛味・渋味・苦味)が存在します。

これらの味をまんべんなくとることは、五感の刺激にも非常によく、体内のドーシャのバランスを保つためにも良いとされています。

ただし、すべての味を同量食べることは非常に困難ですので、量に差はあっても構いません。
どの味も含んだ食事をとることが大切です。

また、少量の油は私たちの身体を潤わせ、若々しくしてくれます。
実際に人間の8割を占めるといわれる水分には少しの油が含まれています。

料理は油を使うことでうまみが増します。おいしいと感じることで消化も高まりますので、ぜひ少量の良質な油を料理に取り入れるようにしましょう。

Lesson6-4 本質別の食事法

人には生まれ持った本質があり、それは一人ひとり異なります。
アーユルヴェーダでは個性を踏まえて、それぞれに合った健康増進を目指します。
ですので、食事法においても、それぞれの本質別に考える必要があるのです。

ヴァータタイプ

ヴァータタイプの人は、風と空で構成されているため、それぞれの持つ特性である乾性・動性・軽性とは反対の特性を持つ食事を心がけるようにしましょう。

冷たい食べ物はヴァータを増大させますので、必ず温かい食事をとるようにしましょう。

また、風の様に急いで食べたり、流れるように食事をするのは良くありません。
しっかり落ち着いてゆっくりと食事するようにしましょう。

ヴァータの人は消化力が弱いので、生ものやカフェインは避けましょう。

甘味・酸味・塩味を積極的に取ることがオススメです。
具体的な食材としては、柔らかい玄米ご飯・大豆や豆製品・白湯・温かいフルーツジュースを取り入れるようにしましょう。

ピッタタイプ

火のエネルギーを持ち、動性・鋭性などの特性を持つピッタの人は、スパイスや熱い料理に注意しましょう。
スパイスや熱い料理は、ピッタを増大させてしまします。

ピッタタイプの人は消化力が高く、代謝も良いため、つい食べ過ぎてしまうことが多いかもしれませんが、食事の量はほどほどにしましょう。

また、イライラしたり怒ったりしながら食事を取らないようにしましょう。

ピッタを鎮めるためには、生の食材が役立ちます。
特に甘味・苦味・渋味を含んだ野菜や果物を生で食べるようにしましょう。
しかし、体の冷やしすぎは注意です。

具体的な食材としては、水・ミックスジュース・生野菜・バター・チーズ(無塩)がオススメです。
塩分の多い食事は、ピッタを増大させ、湿疹や高血圧の原因にもなりますので注意しましょう。

カパタイプ

カパタイプの人は、重性・冷性・油性などの地と水の特性を持っていますので、この特性とは反対の特性を持つ食材を取ることが大切です。

体が冷えやすいカパの人にとって冷たい食べ物は禁物。飲食物は温かいものを取り入れるようにしましょう。

カパタイプの人は、消化が遅く、未消化物を体内にため込みやすい体質です。
ですので、食事の量は控えめに、間食は避けましょう。
夜ご飯は特に軽いもので良いでしょう。(温かい野菜スープなど)

また、冬から春先にかけてはカパが増大しやすい時期ですので、特に食べ過ぎや間食には注意するようにしましょう。

唐辛子やスパイスの効いた辛いホットな食べ物もオススメです。
冷えやすい身体を温めてくれ、カパの増大を抑えてくれます。

具体的な食材としては、脂っぽくない料理・葉物野菜・温野菜・熱いお茶や白湯などが良いでしょう。

Lesson6-5 アーユルヴェーダならではの食材について

インド発祥のアーユルヴェーダだけに、使用する食材にはインドならではのものがたくさんあります。
スパイスやハーブなど、日本人にはまだまだ身近なアイテムではありませんが、無理にインド料理を食べなくても日々の暮らしで取り入れることも可能です。
このセクションでは、消化を第一に考えるアーユルヴェーダ食事法にとって欠かせない食材を紹介します。

スパイス

インド料理といえばスパイス。身近なものから、ほとんど聞いたことがないようなものまで種類は様々です。
スパイスは、適量を摂取することで、ヴァータを調整してアグニの力を高めてくれる作用があります。
また、カパの増大も抑えてくれるので、肥満防止にも役立ちます。

ただ、スパイスといっても、日本人としてはどのように食事に取り入れるべきなのか難しいところですよね。
そのままインド料理を食べるのは、なかなか困難ですし、口に合わない方も多いでしょう。
代表的なスパイスとその特徴を紹介しますので、日常の日本食の中に取り入れることから始めてみましょう。

クミン

胃や腎臓を守ってくれ、消化促進に役立ちます。ヴァータ・ピッタ・カパのどれもを鎮静化させてくれます。
煮込む際にはパウダーを、料理の仕上げで使用する場合はシードを炒って粉にしてから使用しましょう。
食欲増進効果もあります。

ターメリック

抗菌作用があり、肝臓の働きを助けます。
多くのスパイスを使用する際は、それらの間を取り持つ力がありますので、インド料理には不可欠だとされています。皮膚炎にも効きます。
ピッタとカパを鎮静化させてくれますが、取りすぎるとヴァータを増大させますので注意。

黒コショウ

料理に香りを与えてくれるだけでなく、消化を助けてくれます。
白コショウとの違いは、収穫してすぐに乾燥させているかどうか。
ヴァータとカパを鎮静化させますが、ピッタタイプの方は少量摂取するようにしましょう。

アジョワン

小麦粉の生地や焼き物の衣に香ばしさを与えてくれるスパイス。
呼吸器や消化器のうっ血を除去してくれ、腎臓機能を保ち、ガス抜きの作用もある。
お茶にして飲むのもよい。ヴァータとカパを鎮静化させますが、ピッタタイプの方は少量摂取するようにしましょう。

ギー

ギーは無塩バターから糖質やたんぱく質を取り除いたもので、アーユルヴェーダにおいて万能薬とされています。
古典では、「ピッタとヴァータを除去し、液体、精液、生命力の増大のために有効であり、冷却性があり、身体を柔軟にし、声と顔色をよくする」とギーについて記されています。
また、保存性も良く、アグニの火を燃え立たせ、食欲を増進させてくれます。

温かい牛乳と一緒に夜に摂取すると、ヴァータ性の便秘解消や不眠解消にもなるといわれています。
傷を治す力もあるため、やけどの際などには傷に塗り込むとよいとされています。
ただし、多く摂取しすぎると、カパを増大させ、消化の通路を閉ざしてしまうので注意しましょう。

ギーは、日本食においても多くの使い道があります。
トーストに塗ったり、炒め物に使用すると美味しく摂取することが出来るでしょう。
ギーを手作りするためには時間と手間が必要ですので、手作りできない際には市販のギーも販売されています。
ぜひ、取り入れるようにしてみましょう。

ハチミツ

ハチミツは体内に熱を作るため、カパとヴァータを鎮めますが、ピッタを高める作用があります。

目や歯にも良い作用があるとされており、咳や風にも効果的です。
ハチミツは薬草などの作用を体全体に行きわたらせる作用があるため、インドでは様々な料理に使用されています。
適度な量の摂取は脂肪を減らすとさえ言われています。

ただし、古典においては、「はちみつは過熱すると毒になる」と記されています。
これは、加熱することで消化酵素の効果が失われ、糖化蛋白が発生するためだと考えられています。
しかし、現在市場に出回っているハチミツは加熱されたものが多く、日本では生のハチミツによるボツリヌス中毒の死亡例も報告されています。

しかし実際に毒素が発生するのは100℃で長く加熱した際ですので、5,60℃で30分以内の過熱を行う分には問題ないとされています。
ウコンなどのスパイスと一緒に摂取することで、さらに毒素を抑えることが出来ますので利用してみましょう。
たとえば、スパイスティーなどに少しのハチミツを入れて飲むと、ハチミツの良い効果を得られるでしょう。

Lesson7 季節と食事の関係性

季節によって私たちの体調や消化力は変化します。
健康的な食事をとるためには、これらの変化を考慮して料理を選ぶ必要があるのです。

さらに、アーユルヴェーダ起源の地インドと日本では気候や気温が全く異なります。
年中暑いインドと四季のある日本では、体調の変化も異なりますし、手に入る食物も違います。
ですので、日本人にとって、インド流のアーユルヴェーダ食事法をそのまま取り入れることは困難で、効果を得づらいといえるでしょう。

そこで今回のセクションでは、日本の四季に合わせたアーユルヴェーダ食事法の考え方と、オススメ料理のレシピを紹介します。

春はカパの季節。消化力や食欲が落ちる季節です。
脂っぽい食事や重い性質を持つもの(米・ジャガイモなど)は少なめに食べましょう。
また、カパの持つ水のエネルギーを増大させないため、苦味・渋味・辛味のある食材を毎食取り入れるようにするとよいでしょう。
昼寝はせずに、夜だけ寝るようにすることを心がけましょう。

春のオススメ食材

  • 菜の花
  • ごぼう
  • ほうれん草
  • わさび
  • ショウガ
  • 唐辛子

春のおすすめレシピ

[菜の花のからし和え] 2人分

材料:菜の花 1束
塩   少々

だし汁 大2
しょうゆ 小1
酒    小1
ねりからし 小1/2~1

  1. 菜の花は軸を切り落とし、たっぷりの水につけてアクを抜く。
  2. 塩を少し入れたお湯でさっと菜の花をゆでる。
  3. 調味料を合わせたもので和える。

夏はピッタの季節。火の力が強くなりすぎて、反対に消化の力が弱まってしまいやすい季節です。
熱い食事は避け、温かいものや冷たいものを食べるようにしましょう。
特に、甘味・苦味・渋味のあるものがオススメです。
苦味・渋味のある生野菜(ゴーヤやセロリなど)、甘くて冷たいもの(アイスなど)を食べると、体を冷やしてくれます。

夏のオススメ食材

  • トマト
  • きゅうり
  • ピーマン
  • ゴーヤ
  • ミョウガ
  • モロヘイヤ
  • 抹茶
  • レタス

夏のおすすめレシピ

[夏野菜のミョウガ和え] 2人分

材料:きゅうり  1/2本
ミニトマト 4個
オクラ   4本
ミョウガ  1本

めんつゆ  大1
ごま油   少々
鰹節    少々

  1. きゅうりとミョウガは千切り、ミニトマトは一口サイズに切る。
  2. オクラはさっと茹で、輪切りにする。
  3. 全ての材料をまぜる。

秋は、ピッタが優勢な暑い夏の季節から、ヴァータが優勢になる寒い冬の季節に向かう間の季節です。
この時期はデトックスに最適な時期といわれ、夏に体にたまった熱いエネルギーを排出する必要があります。
少しずつ消化の力が回復してきますので、食事の量を増やしていきましょう。
秋は、実りの季節。沢山の食材が出回る時期ですので、ピッタの増大を下げる甘味のあるフルーツなどを取るのも良いでしょう。
夏に引き続き、甘味・苦味・渋味のある食材を多く食べ、辛味の強い料理は避けるようにしましょう。

秋のオススメ食材

  • さつまいも
  • ながいも
  • カブ
  • 新米
  • レンコン
  • レタス

秋のおすすめレシピ

[柿のグリーンサラダ] 4人分

材料:柿  1個
レタス 4~6枚
春菊  1/3束

オリーブオイル 大2
しょうゆ    小1/4
レモン汁    小1/2
塩コショウ   少々

  1. 柿は1口大に、春菊・レタスは食べやすい大きさに切る(ちぎる)。
  2. 調味料を混ぜたものを1に和える。
  3. 少し冷蔵庫で冷やす。

冬はヴァータの季節。消化力が高まりますので、食欲が旺盛になります。
また、重い性質の食べ物を食べてもたいていの人が消化できるようになりますので、食事の量は少し増やしても問題ありません。
しかし、春が近づくにつれて、少しずつ食べる量を減らさないと、ドーシャの乱れが起きますので注意しましょう。
また、運動不足になりやすい時期ですので、塩味・甘味は取りすぎないように心がけましょう。
ヴァータの力で肌が乾燥しやすい時期ですので、しっかりと脂分のあるみずみずしい食材も取り入れるようにしましょう。

冬のオススメ食材

  • 白菜
  • 人参
  • 漬物
  • ゆず
  • 梅干し
  • 脂ののったブリや鮭

冬のおすすめレシピ

[豆乳鍋] 4人分

材料:白菜  1/4
人参  1本
もやし 1袋
キノコ類 適量
豆腐  1丁
鮭   4切

☆豆乳スープ☆
豆乳  1500cc
すりごま 大5
味噌  大4
酒   大5
みりん 大3
にんにく(みじん切り) 小1
鶏ガラスープ 大3

  1. 各材料を食べやすい大きさに切る。
  2. 豆乳スープを鍋に入れ、沸騰する前まで温める。
  3. 食材を順番に入れて煮込む。

Lesson8 キッチンファーマシー(台所薬局)について

インドの家庭では、ちょっと体調が悪い時やけがをしたとき、台所にいるお母さんやおばあちゃんが、昔ながらの知恵を借りて、治療を行うそうです。

これらの風習から、アーユルヴェーダにはキッチンファーマシー(台所薬局)という言葉があります。
このセクションでは、体調の悪い時などに使えるキッチンファーマシーをご紹介します。

ただし、これらの家庭医学には限界があります。
大したことのない症状だと思っていても、大きな病気が隠れていることもありますので、症状が長続きするようであれば必ず病院に行くようにしましょう。

ドライフルーツミルク

貧血の時に役立つドリンクです。貧血はつい軽い病気であると考えてしまいますが、実は深刻な病気の一つです。

血が少なくなってしまうと、臓器を作ったり筋肉を作るための血液も不足してしまい、あらゆる病気の原因を作ってしまうのです。
いつものことだからと放っておかずに、体の異変に気付いたら、キッチンファーマシーでのケアから始めてみましょう。

作り方

前の日の夜、干しイチジクや干しブドウをコップ1杯の水に浸しておきます。
朝起きた際に、これにミルクを足してミキサーをして、温めましょう。

ショウガ湿布

肩こりや痛みのある個所にオススメの方法です。
ショウガは薬になる食べ物とされており、適度に摂取することで3つのドーシャすべてのバランスを整えることが出来ます。
ショウガを食べることで、食欲が増進され、アグニの力が高まります。

作り方

ショウガをおろし、布袋に入れます。
袋のまま温かいお湯(7,80℃くらい)の入った鍋に入れます。
タオルをショウガエキスが出たお湯につけ、軽く絞ります。
少し手で振ったりしてタオルの温度を下げたら、患部にのせてじっくり時間を置きましょう。

ビワの葉エキス

これは、飲んだり、患部に塗って使える薬です。
痛みや炎症に効くとされています。
実に注目されがちなビワですが、実は葉には様々な薬能があるとされています。
皮膚に塗ると、アトピーや肌荒れが改善されたという例もあるほどです。
まれに、アレルギーを起こしてしまう人もいるので、皮膚パッチテストを行ってから利用しましょう。

作り方

ビワの葉をきれいに洗って、2,3cm幅に細かく切り刻みます。
それを空き瓶に入れ、薬草アルコールか焼酎などのアルコールを入れます。
3ヶ月くらいじっくりと浸してエキスを抽出しましょう。(ビワの葉が茶色になるまで)
時折瓶を振ってかき混ぜるようにします。
ビワの葉を取ったら完成です。

ビワの葉湿布

ビワの葉エキスを温かいタオルに浸して患部に乗せる方法。
湿布にすることで、内臓にまでじわじわと効果を感じることが出来、リラックス効果もあります。

手順

温かいお湯の入った洗面器や鍋に、ビワの葉エキスを大さじ2ほど入れます。
そこにタオルを浸して軽く絞り、患部に置いてじっくり休みましょう。
患部に直接ビワの葉エキスを塗ってからタオルを置くとさらに良いでしょう。

Lesson9-1-① アーユルヴェーダにおけるセルフケア

アーユルヴェーダのセルフケアとは?

古くから「生活の知恵」として利用されてきたアーユルヴェーダにおいてセルフケアは欠かせません。
自分自身の身体と向き合い、不調をいち早く感じることで、セルフケアを行うことが可能です。

このセクションで紹介する様々なセルフケアは、どれも簡単に生活に取り入れることができます。
また、日常的に続けることで様々な不調を緩和し、体質改善に役立ってくれます。

しかし、すべての体調不良や病気を完全に改善できるわけではありませんので、セルフケアだけに頼らず、改善がなかなか見られない場合などは病院でも診てもらうようにしましょう。

また、セルフケアはどれも自分自身が心地よいと感じる範囲で行うようにしましょう。
どんなに効果のあるセルフケア方法でも、無理をして行っていては意味がありません。

ストレス

様々な情報が飛び交う現代社会に生きる私たちは、ストレスを抱えやすい傾向にあります。
ストレスは、ゼロにすることはできませんが、軽減したり、うまく付き合っていくことは可能です。
また、あまりにストレスを抱えてしまうと、肉体的な不調も発生してしまいます。

まずは、自分自身をしっかりと見つめてみましょう。そして、笑ったり楽しいことを積極的に行うようにしましょう。

瞑想するのもオススメです。
心が落ち着くアロマを利用しながら、しっかりとした呼吸法で自分自身と向き合います。
そうすると次第に気持ちが軽くなり、スッキリすることでしょう。

食事の内容にも気を付けましょう。
規則正しい食事を心がけ、気持ちを落ち着かせる作用のあるビタミンB1やビタミンCを積極的に取り入れるようにしましょう。

風邪

寒く乾燥してくるとヴァータが増大します。
風邪の諸症状である、鼻水・くしゃみ・頭痛などは、ヴァータやカパの増悪によって引き起こされます。

また、アーユルヴェーダでは、風邪の種類を4つに分類して考えます。

  1. ヴァータタイプ:頭痛がひどく、体に痛みがある。
  2. ピッタタイプ:胃腸の調子が乱れたり、鼻づまりになったりする。
  3. カパタイプ:くしゃみが良くでる。
  4. 複合タイプ(サンパティーカ):全症状が重症化して、発熱する。

どのタイプでも、風邪を和らげるにはまず、ヴァータを鎮めることが重要です。
具体的には、ヴァータの持つ性質と逆の行為を行うことでバランスを保つようにします。

  • 休息をとってゆっくり休む
  • 身体を温める
  • ショウガを温めて作ったショウガ湿布を胸や腰・鼻にのせる
  • 食事を少なくする(アグニ=火のエネルギー(消化力・代謝力)の低下を改善するため)
  • はちみつジンジャーを温めて飲む
  • ユーカリのアロマの蒸気を吸う。(お湯や加湿器を活用)

夏バテ・食欲不振

夏は消化力が落ちるため、夏バテに陥りやすくなります。
あっさりしたものが食べたくなったり、全く食欲がなくなってしまうこともありますよね。

夏はピッタの季節です。
増大したピッタを鎮めようと、冷たい飲み物を飲んだり、クーラーの効いた部屋でずっと過ごしてしまいがちです。
しかし、このような行為は身体を冷やし、さらにアグニの火を小さくしてしまいます。
出来るだけ自然の風に当たるように過ごし、常温もしくは少し温かい飲み物を飲むようにしましょう。
食事の量は食べ過ぎず、あっさりしたものを選びましょう。

ペパーミントなどの涼しげな香りのアロマを楽しむのもオススメです。
適度な汗をかくことで体力もつきますので、夏には汗をかくようにしましょう。
心身の浄化やリフレッシュにもなりますよ。

Lesson9-1-② アーユルヴェーダにおけるセルフケア

不眠

眠れない状態が続くと、体に疲れがたまり、悪循環を引き起こします。
精神的にも辛くなってしまうことが多いので、ひどくなる前にセルフケアを行いましょう。

不眠の状態というのは、ヴァータとピッタのバランスが乱れている状態です。

セルフケアとして、以下のことを行いましょう。

入浴

心身ともにリラックスするためには、入浴がとても大切です。
可能であれば40度前後のお湯で半身浴をしましょう。
身体の中から温まり、血流が良くなって、自然と眠りが深くなります。
また、入浴はヴァータを鎮める効果があります。
ラベンダーなどのリラックス効果が高いアロマを浴槽に入れるのもオススメです。

ヘッドマッサージ

ヴァータを鎮め、リラックスするためのヘッドマッサージを就寝前に行うと効果的です。

ポイント

  • 首の付け根(頭蓋骨側)を指でほぐして、緊張やコリをとる。
  • 指で頭皮全体を圧迫してほぐす。
  • 指の腹や手のひらを使って頭全体を包んだりなでたりする。
  • 最後はしっかりと深い深呼吸をする。

朝起きたら太陽を浴びる

朝、太陽の光を浴びると、1日の始まりを体で感じることが出来、体内のリズムが整います。
遮光カーテンを使っている方は、しっかりとカーテンを開けないとお部屋が暗く、体のサイクルが乱れてしまいますので、特に注意しましょう。

香水や音楽を楽しむ

ヴァータとピッタのバランスを保つためには、心身の緊張をときほぐし、リラックスすることが重要です。
お気に入りの香水や音楽を優しい間接照明の空間で楽しんでみましょう。

寝る前の電子機器の使用をやめる

パソコンや携帯電話のブルーライトは、不眠の原因になります。
寝る前には使用を控え、出来るだけゆったりとした時間を過ごすようにしましょう。

眼精疲労

長く目を使いすぎたり、乾燥すると、眼精疲労による症状が出てきます。
アーユルヴェーダでは目はピッタが関係する場所です。

伝統的なケア方法として、「ネートラ・タルパナ」という方法があります。

  1. 小麦粉を水で練ったもので目の周りに堤防を作る。
  2. 目を閉じてギーLesson6-5参照)を堤防の中に流し込む。
  3. ゆっくり目を開けて、眼球を左右に動かす。

この方法は、インドで行われている伝統的な方法ですが、ご自宅でのケアにおいては、洗眼液の容器にギーをいれて、同じ手順でケアをしても良いでしょう。

目を開けた後しばらくは太陽の光を見ないようにします。
少し涙が出ますが、目がスッキリして視界も良好になります。

肩こり

アーユルヴェーダにおいて、肩こりや腰痛、痛みの原因はヴァータの乱れにあるとされています。
しかしヴァータが乱れる原因を考えると、ピッタやカパの乱れから生じているケースが多くあります。

ピッタが乱れて消化力が衰えたとき、カパが乱れて運動不足になっているときにも肩こりは生じます。
ですので、一概にヴァータだけが原因であるとは考えられないのです。

肩こりには、緊張をほぐすマッサージが効果的ですが、ヴァータ性・ピッタ性・カパ性のうち、どれが原因の肩こりなのかを判断できないと、反対に身体を痛めてしまう可能性もあります。

そこで、ご自宅のケアとしてオススメなのは

  • 入浴
  • ヨーガ(適度な運動)

です。

特にヨーガは身体をリラックスさせ、緊張をほぐしてくれるのでオススメです。
適度な運動を行うことで、カパの乱れも鎮めてくれます。

肩こりに効果的なポーズに「鋤のポーズ」があります。(Lesson5-2参照)
また、両手を肩において肩を回す、「肩回しのポーズ」も緊張を解くのにオススメです。
1日の中に、ヨーガで身体をリラックスさせる時間を取り入れてみましょう。

Lesson9-1-③ アーユルヴェーダにおけるセルフケア

頭痛

アーユルヴェーダにおいて頭痛にも体質と同じように種類があると考えられています。

  1. ヴァータ性頭痛
  2. ピッタ性頭痛
  3. カパ性頭痛
  4. アーマによる頭痛

基本的に、痛みが発生する場合は、ヴァータの乱れが原因ですが、ヴァータが乱れる前原因として、ピッタやカパの乱れ、アーマの蓄積が考えられるのです。

どのタイプにも共通する基本的なセルフケアとしては、睡眠をしっかり取り、規則正しい生活を送るということがもちろんなのですが、それぞれのタイプに適した、より詳しいセルフケアをご紹介します。

ヴァータ性頭痛

冷えや緊張が原因で起こる、後頭部の頭痛はヴァータ性頭痛の代表例です。

セルフケアとしては、ヴァータの乱れを整えるヘッドマッサージLesson9-1-② 参照)やシローダーラーがオススメです。
シローダーラーとは、額のマルマポイントに油を流す、インドの伝統的な健康療法です。
また、ナツメグ粉をお湯で溶いたものを額に塗るとさらに効果が高まるでしょう。

ピッタ性頭痛

頭に熱がこもり、ズキズキ鋭い痛みを伴う頭痛はピッタの乱れが原因です。

セルフケアとしては、ローズオイルを額に塗るとよいでしょう。
また、目の疲れもピッタ性頭痛の原因ですので、しっかりと目を休ませることも大切です。
コーヒーなどのカフェインを含む飲食物は避けましょう。

カパ性頭痛

何もしていなくても1日中頭が重くてズキズキするような頭痛はカパの乱れが原因です。

セルフケアとしては、ユーカリの精油を使ったスチームケアがオススメです。
やり方はとても簡単で、洗面器にお湯を張り、その中に精油を数滴入れます。
洗面器から上がってきた蒸気を顔で受け止めましょう。

また、砂糖や米、乳製品の摂取を控えましょう。

アーマによる頭痛

頭痛の痛みが頻繁に、不規則にやってくる場合は、アーマの蓄積が原因です。

セルフケアとしては、アーマを体内から排出することが大切ですので、アーマパーチャナを行いましょう。
アーマパーチャナとは、アーマを解毒するデトックスのことで、自宅でも簡単な断食をおこなうことで実践できます。

断食を行うのは1日~2日間。
実践する前の日の夜ごはんは、消化の良い麺類などがオススメです。
断食を行う日は、終日スープや果実ジュースのみを摂取します。
実践後の朝ごはんはお粥などにし、徐々に普通食に戻していきましょう。

花粉症

花粉症は今や、日本人の4人に1人が悩まされている症状です。
アーユルヴェーダでは、花粉だけに原因があるのではなく、体内のドーシャの乱れが原因で花粉症を発症すると考えます。

日本人に多いのが、春に花粉が良く飛ぶスギによる花粉症。
これは、アーユルヴェーダでは、春に増大しやすいカパの乱れが原因であると考えます。

セルフケアとしては、冬の間にカパを増大させないことが大切です。

  • 春が近づいてくると、食事は腹八分目を意識しましょう。
  • 乳製品や甘いものは控えめにするのが良いでしょう。
  • 辛いスパイスはカパを減らしてくれるので、冬場から取り入れましょう。
  • 春先には、山菜などの苦みのある食物をとると、カパの増大を抑えられます。

また、適度な運動としてヨーガを取り入れるようにするとさらに良いでしょう。
カパを減らすヨーガのポーズでオススメなのは、「三角のポーズ」や「らくだのポーズ」です。

Lesson9-1-④ アーユルヴェーダにおけるセルフケア

風邪

寒い冬の季節になると、寒さと乾燥が強まり、ヴァータが増大します。
また、寒いからといって動かずに部屋の中にずっといたりすると、運動不足になり、カパが増大します。

このように、ドーシャの乱れが原因で風邪の症状が発症します。

アーユルヴェーダでは、風邪のタイプを4種類に分けて考えます。

  1. ヴァータタイプ
  2. カパタイプ
  3. ピッタタイプ
  4. すべてのドーシャの乱れ

ヴァータタイプ

ヴァータの乱れが原因の風邪は痛みが生じます。
特にひどい頭痛がある場合、ヴァータの乱れを改善する必要があるでしょう。

カパタイプ

カパが乱れて風邪をひくと、くしゃみが頻回で起こり、頭がずっしりと重く感じることが多くなります。

ピッタタイプ

ピッタが乱れて風邪をひくと、胃腸の調子が悪くなります。
また、鼻詰まりや、鼻の中の熱い感覚が感じられます。乾いたくしゃみもよく出るでしょう。


これらの風邪の諸症状を軽減するには、セルフケアがとても重要です。

風邪の引きはじめであれば、まずはヴァータの乱れを整えればよいのですが、ヴァータの乱れによって他のドーシャの乱れが生じていると症状も複雑化していきます。

また人体は、くしゃみや発熱により、体内の菌や不要物を体外に出そうとしますので、すぐに薬を飲んで症状を抑えないほうがかえって良いときもあります。

ヴァータの増大を抑えることが風邪をひかないためのポイントですが、そのためにはヴァータの性質と反対の行動をとる必要があります。

ヴァータの持つ性質は、「動性・軽性・冷性・乾燥性」などです。
これらと反対の以下のような行動をとるように心がけましょう。

  1. ゆっくりと休む
  2. 体を温める(入浴など)
  3. 食事の量を減らす(消化力が落ちているため)
  4. アグニの火を燃やすような食物をとる
  5. ビタミンCをとる

ショウガはちみつドリンク

すりおろしたショウガとはちみつ・レモンを同じ量コップに入れ、お湯で割って飲みます。

このドリンクは、体内のアーマを消化してくれ、ビタミンCも摂取できるのでオススメです。

ターメリックの足湯

ターメリックを適量入れたお湯で足湯をしましょう。

ターメリックの成分は血管を広げて循環を良くし、体を温めてくれる作用があります。

便秘・下痢

便秘

便秘の原因はさまざまですが、癌のような大きな病気が潜んでいることもあり得ますので、必ず病院で診察を受け、生活習慣からくる便秘だと判断されてから、アーユルヴェーダのセルフケア行ってください。

便秘は基本的にヴァータの乱れで生じると考えます。
乾燥や冷え、ストレスが原因の方が多いでしょう。

食物にも気を付けるようにしましょう。
食物繊維は便秘に効果的ですが、不溶性食物繊維は逆効果です。
不溶性食物繊維とは、水に溶けない食物繊維のことで、セルロースなどが該当します。

果物や野菜などに含まれる水溶性食物繊維を意識して摂取しましょう。
特にりんごがオススメです。

下痢

下痢になるときは、ピッタが乱れているときです。
精神的なストレスによっても下痢になります。

ピッタが過剰な状態を浄化しようと下痢になっている場合もありますので、むやみに薬を飲んで止めないほうが良い場合もあります。
しかし、深刻な病気が潜んでいる可能性もありますので、下痢が続くようであれば必ず病院へ行くようにしましょう。

軽い下痢の時のセルフケアとしては、青いバナナを煮て、ショウガ粉とギー(Lesson6-5参照)をかけて食べる方法がオススメです。

肌の状態は、健康のバロメーターです。
アーユルヴェーダでは、肌は臓器の状態を映し出すといわれています。
ですので、肌をきれいに保つことは、臓器から美しくなることと同じなのです。

また、人間は肌からもさまざまな物質・養分を取り入れます。
体内のバランスが乱れているとき、肌から不足している物質を取り入れることで、バランスを保つことができます。

ハーブ洗顔

アーユルヴェーダでは、ハーブを使用して洗顔を行います。
ハーブを練ったものを顔に乗せ、やさしくマッサージ、その後洗い流すというシンプルな洗顔法です。

それぞれの体質にオススメのハーブと材料がありますので、参考にしてみてください。

  • ヴァータ:カモミール・ラベンダー・ローズマリーなどをオートミールで練ります。
  • ピッタ:ラベンダー・ローズなどをスキムミルクで練ります。
  • カパ:ネトルやユーカリを目の細かい塩で練ります。

また、これらのハーブはパックとしても使用できます。

顔に適量を乗せ、10分前後そのままにしましょう。
時間がたったら顔をきれいにふき取ります。

ヘッドマッサージ

インドでは、頭皮の健康は艶やかな髪に不可欠であると考えられています。
頭皮を健康に保つためのヘッドマッサージは、母から子へと代々受け継がれ、インドの女性は日々髪の手入れをしています。

髪質

  • ヴァータタイプ:暗い髪色・乾燥気味・枝毛が多い・量が少ない
  • ピッタタイプ:赤っぽい髪色・つやがある・白髪が多い・量はふつう
  • カパタイプ:黒い髪色・脂っぽい・くせ毛が多い・量が多い

頭皮は成分を良く吸収するため、口にも入れられる以下のようなオイルを使用するのがオススメです。

  • ごま油(ヴァータタイプおすすめ)
  • ココナッツ油(ピッタタイプおすすめ)
  • サンフラワー油(ピッタタイプおすすめ)
  • アーモンド油(カパタイプおすすめ)
  • ツバキ油(ヴァータタイプおすすめ)

オイルのつけ方

  1. 綿を先ほどご紹介したオイルに浸します。
  2. その綿を頭頂部に乗せます。
  3. 呼吸を整えて、綿を頭上で絞り、油を頭頂部へ垂らします。

マッサージ方法

  1. 右手を頭頂部に、左手を額の上に乗せる。
  2. 右手は右耳のほうへ、左手は左耳のほうへ撫でながら下す。
  3. 指の腹や手のひらを使って、頭皮を上下に揉む。
  4. 首の付け根と後頭部の間の真ん中のへこみ部分(クリカティカカルマ)を強く指で押し、順番に外側に向かって押していく。
  5. 両手で髪を持ち上げ、ぎゅっとひっぱってふわっと下すのを繰り返す。
  6. オイルを落とさずにシャンプーをして毛穴の汚れをきれいにする。

入浴

入浴は体を清潔に保つだけではなく、リラックスしたり、リフレッシュしたりとドーシャのバランスを整える役割があります。

時間帯によってドーシャの優劣が異なりますので、入浴方法を変える必要があります。

朝の入浴

カパが優勢な朝の時間帯は、体がだるく、気持ちも下がってしまいます。
そんな時にはリフレッシュするための温冷浴がオススメです。
冷たい水とお湯を交互に浴びる温冷浴ですが、急に全身から始めると気分が悪くなってしまうこともあります。
40度前後の温かいお湯に浸かり、その後湯船から出て、まずはつま先から冷水をかけましょう。
そしてまたお湯に浸かり、湯船から出たら、次はひざ下まで冷水をかけます。
このようにして、徐々に上半身まで冷水を浴びるようにしましょう。

夜の入浴

夜は一日の疲れを取り、入眠までリラックスできるように、しっかりと半身浴で体を温めましょう。

腰まで浸かるくらいの量で40度前後のお湯を湯船に張り、20分前後浸かります。
しっかり汗をかいて温まりましょう。
肩が冷える方は、蒸しタオルを乗せて冷えないように気を付けましょう。

また、半身浴の湯船をビニールシートで覆い、切れ目を作ったら、そこから顔を出して簡単サウナができます。
15分くらい入っていると体内の毒素が浄化され、デトックスになりますので、オススメの美容法です。

Lesson11 アーユルヴェーダのマッサージ方法

アーユルヴェーダにおいて、マッサージは慣習的に行うのが良いとされており、そうすると以下のような様々な効能が現れます。

  • 血行が良くなる
  • 老化を遅くさせる
  • 疲労が取れる
  • 顔色が良くなる
  • 心地よい眠りができる
  • 視力が上がる

マッサージの基本の動きは

さする・たたく・押す・揉む

です。これらの動きを組み合わせて身体をリラックスさせましょう。

また、ドーシャタイプによって適するマッサージ方法が異なります。
体質・過剰になっているドーシャに合わせて行うことが大切です。

  • ヴァータタイプ・・・温めたオイルでゆっくりゆったりとマッサージしましょう。長いストロークで手を動かすとよいでしょう。
  • ピッタタイプ・・・オイルは常温で大丈夫です。手をくるくるさせることで、緊張をほどくとよいでしょう。
  • カパタイプ・・・ドライマッサージもよいでしょう。体をこすって摩擦を起こすようにマッサージします。

オイルマッサージ

人の体には、マルマと呼ばれるポイントが100以上もあります。(Lesson 参照)
これらのポイントは強い刺激を与えると重大なダメージを与えてしまうこともあるほど、重要なポイントですので、オイルを使って滑らかにマッサージするのが基本です。

アビヤンガ

全身マッサージのことで、様々なオイルを使用します。
精神的・肉体的にリラックスでき、若返ります。疲労や痛みにも効果的です。

ピッツィチリ

4人のマッサージ師で行う手法です。
オイルに浸した布から、絶え間なく体にオイルを流します。運動神経障害やリウマチなどに効果があります。

足圧マッサージ

マッサージ師が天井につけたフックにぶら下がって、足でマッサージをします。
他のマッサージ師は、オイルを垂らします。
慢性疲労にも効くマッサージ法です。

ダーラー

Lesson5-4でも紹介しましたが、オイルやバターミルクなどを額や体にそそぐ方法です。
心身ともに落ち着きを取り戻すことができるマッサージ法です。

オイルの使用方法

マッサージでは、体質に応じて様々なオイルを使用します。
例えば、ごま油・ひまわり油・オリーブ油などを使用します。
その中でも、ごま油は手に入りやすい割には成分も作用するものが多く、酸化もしづらい為、多用されています。
ただし、ピッタを増やす力がありますので、ピッタタイプの方やピッタの増大が気になる方は避けましょう。

マッサージに使用するためには、オイルにも下準備が必要です。
ここでは、ごま油のキュアリング方法について説明します。

  1. まず、マッサージのためのごま油は、透明のタイプを使用します。
  2. そのごま油を1瓶鍋に入れて100度まで加熱します。
  3. 鍋の中を混ぜて均等な温度にしたら、火を止めます。
  4. 鍋に入れたまま冷ませます。
  5. 遮光瓶などに保管して、使用する。

このようにして出来上がったごま油にハーブを混ぜることで、薬用のマッサージオイルとして使用することもできます。

ドライマッサージ

アーユルヴェーダにおけるドライマッサージでは、布を使用します。

代謝アップが期待でき、直接関節などに働きかけるため、太っている人にもオススメのマッサージ法です。
特にカパタイプの方は、オイルを使用すると水の性質が強まってしまうので、ドライマッサージを取り入れてみて下さい。

絹の手袋を使用するマッサージ法を「ガルシャナ」といいます。
絹の手袋がなくても、綿や麻などの素材でも代用が可能です。

マルマポイントを布で強く摩擦して温めます。
こうすることで、カパの水のエネルギーを減らすことができるのです。

効果的なのは、朝のマッサージです。
5分ほど行ったら、入浴して毒素が体内から出ていくのを感じましょう。

ガルシャナで十分に水の成分を減らすことができたら、最後に軽くオイルを塗るとすっきりしますよ。

Lesson12 浄化療法について

パンチャカルマとは

パンチャカルマとは、体内にたまった毒素を浄化(デトックス)する浄化療法のひとつです。
アーユルヴェーダでは、健康的な体作りには、まずは体内を浄化することが大切であるとされています。
体内を浄化することで、人間が本来持っている自然治癒力を高めることができるという考えから行われています。

パンチャは「5」、カルマは「行為」という意味の言葉で、パンチャカルマの行為には大きく分けて5つのパートがあります。
この5つの順序を経て、体内にたまったアーマ(毒素)やマラ(生理的老廃物)を排出していくのです。

パンチャカルマの5つの行為(中心処置)

  1. 経鼻法[ナスヤ]:鼻にオイルなどを点鼻する
  2. 催吐法[ヴァマナ]:胃の中の毒素を排出する
  3. 寫下法(しゃげほう)[ヴィレーチャナ]:下剤の効果により、小腸から毒素を排出する
  4. 浣腸法[バスティ]:大腸から毒素を排出する
  5. 瀉血法(しゃけつほう)[ラクタモクシャナ]:皮膚を介して血液から毒素を排出する

アーマ・パーチャナ

パンチャカルマを行う前には、3~7日間かけて前処置を受ける必要があります。その前処置の前に行うのがアーマ・パーチャナです。
その目的は、体内のアーマをしっかりと消化させることにあります。
アーマはしっかりと成熟(パーチャナ)させてからでないと排出ができませんので、蓄積段階でパンチャカルマを行うのは禁忌とされています。

朝起きて、体がだるかったり、体の一部に痛みがあるような人は、アーマが蓄積している恐れがあります。
そのような方には、以下のようなアーマ・パーチャナを2,3日行うことがオススメです。

  1. 白湯を飲む
  2. 食事量を腹半分から八分目くらいに抑える
  3. アグニの力を高めるハーブを摂取する

アーマの蓄積程度ですと、これらの行為により体調が改善されることも多くあります。
ご自宅で簡単に取り組める内容ばかりですので、気になる際には取り入れてみましょう。

プールヴァカルマ

アーマ・パーチャナが終わったら、次の前処置としてプールヴァカルマを受けます。
プールヴァカルマで行う処置は、オイルで行う油剤法(スネーハナ)発汗法(スウェーダナ)の2つがあります。

スネーハナ

この処置では、体内に油をしみこませて、アーマやドーシャの動きを滑らかにすることを狙います。
最も有名な方法としては、皮膚からオイルを浸み込ませようとするオイルマッサージのアビヤンガです。
アビヤンガでは、2人の施術師が温かい油で30~40分ほどマッサージを行います。

この方法は、ヴァータを鎮静化させるのに最も有効で、全身くまなくケアを行います。
患者は心地よい時間を送ることができるようになっています。

次に行うのは、シローダーラーです。
Lesson5-4でも説明しましたが、シローダーラーでは、額に40度前後のオイルを垂らし続けます。
この施術では、心を浄化することができ、心地の良い時間を過ごすことができます。
これは、この後に続く過酷なパンチャカルマの施術に耐えるためにも必要な行為だと考えられています。

スウェーダナ

これらのスネーハナの後に続く施術がスウェーダナと呼ばれる発汗法です。
20分程度、薬草を用いた蒸気サウナを浴びます。このとき、頭だけは温めないように注意します。

このようにサウナに入ることで、体内の循環経路がスムーズに機能し、オイルに溶けたアーマやドーシャを流れやすくしてくれるのです。

パンチャカルマの後処置

解毒作用の高い中心処置は、心身ともに大きな負担がかかります。
もし、前処置と中心処置を同じ日に受けるようなことがあれば、その後数日間は安静を保ち、食事も軽めに済ませましょう。

また、最終処置が終了した後も、数日間は安静にし、処置にかかった日数の倍をかけて通常の生活に戻していきましょう。
食事の量はもちろん、運動や仕事もこの通りにしてください。

Lesson13 アーユルヴェーダと人間関係

ほとんどの人が、日々の暮らしや会社・学校などで、対人関係がうまくいかず悩んだことがあるでしょう。

相手のちょっとした言動が気に入らなかったり、逆の場合もありますよね。
相手の気持ちは簡単には分からないものなので、小さなことで悩んだり、振り回されてしまうのです。

そんなとき、アーユルヴェーダを人間関係に活用することが可能です。

人の性格やタイプは「風」「火」「水」「地」の4つに分けられます。
この4つのタイプと対処法を理解しておくことで、対人関係に悩んだときに役立てることが可能です。
次にどのような行動をとるべきか、相手はどう思っているのか、そのようなことが予測できるようになるのです。

5つのエネルギー

アーユルヴェーダでは、この世界に起こる事象や物はすべて5つのエネルギーから成り立っていると考えます。

5つのエネルギーとは

です。
それぞれ持っている特性は異なりますが、人間もまた、これらの5元素から成り立っています。

例えば、「風」を持つ人は風のように自由自在で活発なエネルギーを、「火」を持つ人は火のように熱くて情熱的なエネルギーをもっています。

人の性格を考えるときに、「空」のエネルギーは考えません。

なぜなら、この「空」という概念は特殊で、これから何かが入るという無限の可能性を秘めたエネルギーだからです。
人の域を超えた領域であるとも捉えられます。

このセクションでは「空」を除いた4つのエネルギータイプに分けて人間性を解説します。
4つのエネルギーのうち、優勢になっているものは日によってみんな様々です。
また、ひとつのエネルギーだけが当てはまるとは限りません。複数にまたがっているときもあります。
相手の行動や見た目をしっかりと観察して、どのタイプに当てはまるのかを考えてみましょう。


「風」タイプの人の特徴

  • 肌が乾燥している
  • 目が細い
  • 話をあまり聞かずに同調する
  • 忘れっぽく、勘違いが多い
  • 興味があちこち移りやすく、じっとしていない
  • 不規則な生活をしている
  • フットワークが軽くて行動的
  • 大人数よりも個人行動を好む

接するときのポイント

「風」のエネルギーが強まっている人は、そわそわ落ち着きがなく、あちこちに手を出す傾向にあります。

行動力が高まるのは良い点なのですが、ゆっくりと休むことができなくなるほど落ち着かなくなるのは悪い点です。

一人でいることが好きなタイプが多いのですが、人とのかかわりを持つように勧めてみましょう。
しかし、あまりあれこれ言いすぎると自由を奪われたような気分になり、このタイプの人は非常に嫌がります。
相手のリズムを見ながら関わるのが良いでしょう。


「火」タイプの人の特徴

  • 筋肉質で引き締まった体
  • まなざしが鋭い
  • イライラしたり、怒りっぽい
  • リーダー気質でパワフル
  • 物の言い方がストレート
  • 勝負事が好きで、勝ち負けにこだわる
  • 自慢話が多い
  • 正義感が強い

接するときのポイント

火のエネルギーが多くなっている人は、情熱的で、よくイライラしているでしょう。
自分自身の目標に向かって真っすぐ力強く進みますが、自分に厳しいだけでなく、他人にも厳しくなってしまうところがあります。

このタイプの人は、要領の悪い行動を嫌いますので、できるだけテキパキと無駄のない動きを心掛けましょう。
また、燃えすぎた火のエネルギーを鎮めるときには、涼しい場所へ連れて行ったり、冷たい食べ物を食べさせるように心がけましょう。


「水」タイプの人の特徴

  • 肌の色が白くて柔らかい
  • たれ目・優しそうな目をしている
  • 自己主張が少ない・聞き上手
  • おっとりしていて、あまり怒らない
  • 涙もろい
  • 周囲の人に合わせたり、共感するのが上手

接するときのポイント

このタイプの人は、あまり自己主張がなく、相手の意見に合わせてあげることができる優しい人が多いです。反対に言うと、迷ったときや困ったときには自分の意見で決断ができず、人の意見に流されてしまいます。

このタイプの人とうまくいかないときには、自分自身をしっかり取り戻してもらうことが大切です。
そのためには、「誰かの役に立っている」という言い方を心掛け、存在価値を認識させてあげるとよいでしょう。
誰かに必要とされていると感じることができると、「水」のタイプの人は自分自身を取り戻します。


「地」タイプの人の特徴

  • 骨からがっちりした体形
  • 目が大きく、パッチリしている
  • ゆったりした話し方
  • いやなことは我慢してしまう
  • 毎日同じことを繰り返すのが好き

接するときのポイント

このタイプの人はゆっくりと話し、自己表現があまりないので、話を聞いているのか不安になるときがあります。しかし、地のタイプの人はしっかりと話を聞いています。

同じように地のタイプの人が話す内容をしっかりと受け止め、ゆっくりと心の中を見せてもらうような気持ちで会話するのがよいでしょう。

無理に心を開かせようとすると、反対に頑なに開かないようになってしまいますので注意してください。

アーユルヴェーダ基本用語集

アーサナ

ヨーガにおける100種類ほどの体位。

アーマ

心や体に生じる未消化物。ドーシャのバランスが崩れると発生する。

アグニ

「火」という意味の言葉。アーユルヴェーダにおいては、消化の力=消化酵素を表す。アグニが正常に働いている状態こそ健康な状態だといえる。

オージャス

生命エネルギーや活力素。免疫の基盤をつかさどり、オージャスを増やすことは健康増進につながる。

サトヴィック

精神的に成長したときにたどり着ける最高峰の精神の状態。平静で善性。

シローダーラー(シロダーラ)

額にオイルを垂らし続けるアーユルヴェーダの治療法。精神の安定や肌の健康に効果がある。

スロータス

体内の循環経路。
スロータスの流れをアーマが塞いでしまうと、不健康につながる。スロータスの流れを良くすることは健康増進に大切。

チャクラ

体内の触れない位置にある7つのエネルギーポイント。

ダートゥ

血液・筋肉・脂肪・骨など体を構成する組織。

タマス

「惰性」の意味を持つ心の性質のひとつ。タマスが心に増えると、やる気がなくなり、うつ状態にまで陥る。また、カパも増大する。

ドーシャ

心身の機能を司る目には見えない力。3つのドーシャがあり、それらがバランスを保つことで健康になることができる。

トリグナ

心を左右する3つの性質。サットヴァ・ラジャス・タマスがある。

パンチャカルマ

アーユルヴェーダで行われる浄化療法。5段階のプログラムがある。

プールヴァカルマ

パンチャカルマ療法を行うために体を浄化するプログラム。

プラーナ

呼吸。インド哲学では「生き物の生命力」という意味も含まれる。

ヴィクリティ

「過剰」という意味。ヴィクリティが発生することは、病気の原因となる。ヴィクリティを減らすことは健康な体作りにとても大切。

ヴェーダ

インドの古典。古人の様々な知恵が書かれている。

プラクリティ

その人の「本質」のこと。出生時に決まるバース・プラクリティと後天的に決まるボディ・プラクリティがある。「体質」という意味でつかわれることも。

マラ

汗・尿・便などの老廃物。

マルマ

体内にある100以上のツボ。エネルギーの流れを整えるための重要なポイント。

ラサ

血漿・リンパ。または情緒のもととなる食物の味の総称。(アーユルヴェーダでは「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「辛味」「渋味」の6種類)

ラジャス

「動性」の意味を持つ心の性質のひとつ。ラジャスが心に増えると、様々な欲求が起きる。増えすぎると落ち着きがなくなり、躁状態になることも。また、ピッタ・ヴァータも増大する。

スパイス・ハーブまとめ

Lesson でも一部解説しましたが、アーユルヴェーダ食事法においてスパイス・ハーブは非常に大切な役割を担っています。

アーマを体内から減らすためには、未消化物を減らすために断食などを行うことも重要ですが、アグニもの力を強くすることが不可欠です。
スパイス・ハーブはアグニの力を強くしたり、ドーシャのバランスを整えるのに役立ってくれます。

このセクションでは、聞いたことのないようなスパイス・ハーブの種類までをまとめましたので、食事に取り入れたい際などに活用してください。

各スパイス・ハーブには、妊娠中使用禁止や他の薬との併用禁止など、使用上の禁忌事項が存在します。
しっかりと事前に調べてから使用するようにしてください。

アグニの力を強めるハーブ

ショウガ

生のショウガは体を冷やす作用があるので、夏場で体内のピッタが膨れ上がっている時に効果的です。
粉のショウガは体を温めてくれる作用があるので、冬場でピッタを増やしたい時に効果的です。

こしょう・長こしょう

長こしょうは日本では聞きなれませんが、沖縄などでは販売されています。
これらのハーブはピッタを増やし、アグニの火の力を強めてくれます。
ピッタ体質の方は少なめに摂取するようにし、胸やけがする時にはコリアンダーを一緒に摂取するようにしましょう。

ドーシャ鎮静化に役立つハーブ・スパイス一覧

ヴァータを鎮静化させる

  • 甘草(カンゾウ)
  • ヒング
  • アシュワガンダー
  • ゴマ
  • シナモン
  • ヒマ
  • 菖蒲(ショウブ)
  • シャタヴァリ

ピッタを鎮静化させる

  • レモングラス
  • ミント
  • マンジスタ
  • ムスタ
  • チレッタ
  • アーマラーキー
  • ダルハリドラー

カパを鎮静化させる

  • ショウガ
  • グッグルー
  • ハリドラー
  • チトラーカ
  • ミルラ
  • カルダモンシード

3つのドーシャを鎮静化させる

  • サフラン
  • コリアンダー
  • アロエ
  • ゴクシュラ
  • バラー
  • クスタ

アーユルヴェーダコラム①

【発酵食品の善し悪し】

アーユルヴェーダでは、時間の経った食べ物を食すことはよくないことだとされています。(Lesson6-3-②参照)
「納豆を食べるのはよくない」と話す専門家もいます。

しかし、インドの食卓では、ヨーグルトがよく使われますし、発酵酒などが治療に用いられることもしばしばです。

そもそも、なぜ時間の経った食べ物を食すのがいけないのかというと、昔のインドでは冷蔵庫がなく、時間がたつと食べ物が腐敗して食中毒を起こしていたからだと考えられます。
食中毒により、アグニの力が弱まってしまうのは良くないので、時間の経った食べ物を避けるように教えるようになったのでしょう。

発酵というのは少し難しい概念で、生物学的に腐敗と違いはありません。
しかし、私たち日本人にとって納豆は腐敗しているとは思わないですよね。
これは、発生する菌やその地域の住民の腸内環境によって発酵なのか腐敗なのかが決められているとも言えます。

反対に考えると、腐敗(発酵)している食物というのは、酵母や菌の影響により、アグニの力を高める作用があるというようにも捉えられます。発酵食品は、消化がスムースに行われるため、健康食品として人々に愛用されているのです。

以上を考えると、日本においては、納豆やその他の発酵食品を取り入れることは健康増進につながるので良いと考えて問題ないと思われます。

【舌の状態でわかる体の健康状態】

リフレクソロジーなどもそうですが、伝統医学においては体全体の状態が一部に現れるということがあります。
舌に関しても同じで、アーユルヴェーダでは舌に体全体の健康状態が映し出されるといわれています。

あなたは自分の舌を鏡でじっくりと見たことがありますか?

舌は口の中に隠れていることもあってか、なかなかチェックする人は多くありません。
日常的に自分自身の体を見つめることは、健康増進の一歩にもつながります。

ぜひ毎朝鏡で舌をチェックしてみることをオススメします。

舌苔の状態で、健康状態がわかるといわれています。
アーユルヴェーダでは、アーマ(未消化物)は就寝時に血液の中を通って舌の上に表面化します。
以下のポイントに沿って舌をチェックしましょう。

  1. 舌苔の量
  2. 舌の色

舌苔の量は、多ければ多いほど、アーマの量が多いと考えられています。
食事のバランスや生活を整えて、アーマを減らす試みをしてみましょう。

舌の色は、黒かったり、黄みがかっていたり、白っぽくなっていると正常ではありません。
ぬるぬるした舌も要注意です。

これらの舌の不調は、以下のような簡単なお手入れで改善することができます。

舌苔のホームケア

まず、スプーンを用意します。
スプーンで掻き出すように、舌の奥から手前へと舌苔を取り除きます。

根本的な改善には、アーマを増やさない生活や食事の改善が必須です。
舌苔のお掃除も取り入れつつ、チェックを欠かさないようにしましょう。

アーユルヴェーダコラム②

【子育ての考え方】

インドでは子育てにおいて、「3歳までは神様のように、3歳から16歳までは召使いのように、16歳以降は友達のように育てなさい。」ということわざがあります。

このことわざの通り、インドの人々は乳児を丁寧に大切に扱います。
祖父母がベビーマッサージをする習慣があるほどです。

乳幼児はカパが増大しやすく、薬剤などの外部刺激にとても敏感な時期です。
しかし、丈夫に成長するためには、鍛えることも大切だとされています。

アーユルヴェーダ子育てにおける重要なポイントをピックアップして解説します。

母乳育児

アーユルヴェーダでは、当たり前のように母乳育児が推奨されています。
その理由は、母乳にはオージャスがたくさん含まれており、乳児の免疫機能を向上させる力があるからです。
現代医療においても、初乳には免疫機能を高め成分が含まれていると立証されています。

ベビーマッサージ

生後2週間くらいからは、オイルを使ったマッサージが乳児に良いとされています。
前にも述べたように、インドでは祖父母がマッサージを行うほどです。

乳児に触れることにはとても意味があります。
大人はエネルギーをもらうことができ、乳児にとってもオキシトシンや成長ホルモンの分泌があり、健やかな成長に非常に効果的であるとされています。
マッサージはオイルをつけて、体に触れるだけでも問題ありません。
たくさん触れ合って子育てを行うことが大切で、ふれあいの少ない子は虚弱体質になりやすいという結果が現代医療でも出ています。

マッサージを行うときには、自然由来のオイルを使用するようにしましょう。
ごま油やココナッツ油、オリーブオイルがオススメです。
薬用のオイルや刺激の強い油は避けるようにしてください。

ガルシャナ

乳児の健康トラブルで良く原因となる、カパの異常ですが、ガルシャナ(乾布摩擦)により改善されると考えられています。

実は、日本でも昔から子供の健康のために乾布摩擦が取り入れられてきました。
小児ぜんそくや気管支炎などはカパの異常により発症します。
カパを鎮めるためには、体毛と反対方向にマッサージすると効果的です。
おなかと背中は縦・横に、手足は体に向かってマッサージするようにしましょう。

生活習慣と運動

子供にとって、早寝早起きはとても重要です。
成長ホルモンの分泌される時間にしっかりと寝て休息し、適度な運動を取り入れて身体を動かすことは、健康な体作りの基本です。

先ほど述べたことわざにもあるように、子供は3歳から16歳は召使いのように厳しく育てるようにしましょう。
しつけは根気よく行うことが大切です。
周りの大人が一貫した毅然とした態度で正しい行いを教えてあげましょう。

また、適度な運動として、ヨーガを取り入れることもオススメです。
早起きをして、ヨーガで毎朝スッキリ体を動かすと1日がすがすがしく始められるでしょう。
ヨーガで体を動かし、表現することで感受性も高まります。
ただし、幼児期はまだ骨の作りが完成していないので、無理なポーズをとらないように注意しましょう。

昼寝

まだ体力の少ない子供にとって、昼寝はとても大切です。
昼寝中にも、夜と同じくらいの成長ホルモンが分泌されているといいます。
遊びたくてなかなか寝たがらない子供も、遊びのリセットの気持ちも込めて、昼寝をしっかりさせるようにしましょう。

【老いについての考え方】

人はいずれ年を取って老いていきます。
高齢になると、ヴァータが増悪しやすくなり、乾燥や冷たさが増すようになります。
その結果、便秘になったり、白髪になったり、肌にしわが増えたりするのです。

こう聞くと、老いていくことに嫌気がさす人も多いかと思いますが、老いはマイナス面ばかりではありません。

アーユルヴェーダでは、老いと上手に付き合う方法がありますので、ご紹介します。

ヴァータのバランスを保つ

生活習慣の乱れはヴァータを増大させます。
ヴァータが乱れないように、規則正しい生活を心がけましょう。
また、ごま油によるヘッドマッサージや全身マッサージもヴァーダの鎮静化にオススメです。

考え方の転換

老いて年を取ることを嫌だと思わないことが大切です。
もう年だから無理だと諦めることもよくありません。

アーユルヴェーダにおいて高齢者は、経験や知識を豊富に持ち、伝統を大切にするため、尊敬し敬うべき存在だとされています。
身体的には衰えていても、これまで経た様々な経験は多くの人のためになるのです。
死ぬまで人の役に立つように心がけると、毎日の質が格段に上がるでしょう。

ラサーヤナを取り入れる

ラサーヤナとは、強壮長寿法という意味です。
滋養強壮薬を飲むことと、倫理的な生活を送ることが、ラサーヤナの具体的な方法です。

倫理的な生活を送ることは、「アーチャーラ・ラサーヤナ」と呼ばれ、10の実践項目が存在します。

  1. 真実を語る
  2. 休息と活動のバランスが取れた生活を送る
  3. 健全な食事法を取り入れる
  4. 人に与える(金銭・食物・知識など)
  5. 気候や季節に沿った生活をする
  6. 魂で物事を考える
  7. 暴力を振るわない
  8. 酒・性行為に溺れない
  9. 他人を傷つけない
  10. 怒りや攻撃を避ける

これらをすべて実践している人には、滋養強壮剤が必要ないとも言われています。
それくらい、薬よりも行動が自分自身を左右するということですね。

【女性の健康についての考え方】

アーユルヴェーダでは、女性の健康管理に関する理論があります。
その内容は妊娠中や出産時、生理中のケアや性行為の注意についてです。

これらの考えは、女性軽視だといわれることもありますが、一方で「インドの伝統的な女性を守る考え方だ」とも言われています。

そんな女性の健康管理の考え方を一部をご紹介します。

子供の体質

アーユルヴェーダでは、授精時の両親の状態が子供の体質に関係すると考えられています。

例えば、喫煙している親から生まれた子はヴァータタイプのソワソワした子が生まれやすい、酒を飲んでいる親から生まれた子はピッタタイプの怒りっぽい子が生まれやすいなどと言われています。

両親のドーシャのバランスがうまく保てているときに授精することが、健康な子供を産むのに大切だとされています。
そのために、妊娠前にはパンチャカルマ(浄化療法)を両親ともに受け、なおかつ2人のドーシャのバランスの良い時期に妊娠するよう勧められます。

例えば、ヴァータタイプ・カパタイプの両親ならば、ピッタの時期(夏)に妊娠すると3つのドーシャのバランスが良い子供が授かれるとされています。

生理中の注意

インドでは、生理中の女性は不浄とされており、仕事などの社会活動が制限されています。
また、生理中はストレスや性的刺激を避けることが重要だとされています。

生理は浄化するための自然現象だととらえられていますが、ヴァータが増大しやすい時期でもあります。
以下の点に注意して過ごすことで浄化がしっかり完了できますので参考にしましょう。

  • 休息をしっかりとる(性行為も控える)
  • 昼寝は少なくする
  • 髪を洗うのを避ける
  • ヴァータを鎮める食事を心がける(軽くて温かいもの)
  • 運動は控える
  • 刺激の強いものは避ける(臭い・音などの五感)

アーユルヴェーダコラム④

アーユルヴェーダでは、1日の中にもドーシャのリズムが存在します。
そのドーシャに合わせた生活を行うことで、健康増進につながるのです。
Lesson3-6でも少し述べましたが、ここでは朝昼夜に分けて過ごし方のポイントをさらに詳しく解説します。

【朝の過ごし方】

起床

アーユルヴェーダでは、冬は6時前後、夏は5時半前後に起床することが勧められています。
起床したらまず、自分自身の状態をしっかりと観察しましょう。
どこか痛むところはないか、体の重さはどうか、自分自身の体調を知ることは健康増進において非常に重要なポイントです。

脈診

次に、脈診することでさらに自分自身と向き合います。
Lesson5-1で紹介した方法で行いましょう。
はじめは慣れないかもしれませんが、自分自身を見つめることが重要です。
毎日続けるようにしましょう。

舌苔の掃除

睡眠中に舌に出現したアーマを掃除しましょう。
専用の器具があったり、スプーンで代用もできますので、コラム①を参照して行いましょう。

ごま油うがい

アーユルヴェーダでは、一度加熱したごま油やゴマサラダ油でのうがいが勧められています。
ごま油には、抗酸化作用があり、うがいや歯茎のマッサージを行うことで口内環境を良くすることができます。

白湯を飲む

口内がきれいになったところで白湯を飲みます。
朝に飲む白湯は、消化機能を高め、排せつ効果を促してくれます。
白湯の温度は体調に合わせて調整しましょう。

鼻洗浄・点鼻

アーユルヴェーダでは、鼻は脳の出入り口であると考えられています。
鼻が詰まると思考が鈍くなる経験ってありますよね。それもこのためでしょう。
鼻水や鼻詰まりがあるときにも効果的ですので、ぜひ試してみましょう。

  1. 急須にお湯を入れて塩を小さじ1ほど溶かす。
  2. そこへターメリックを少々入れる。(ひとつまみ)
  3. 顔を横にして、急須のお湯を片方の鼻に入れ、反対側の鼻から出す。

セルフマッサージ

ごま油を全身に塗り、全身マッサージを行いましょう。(アビヤンガ)
適温に保たれた室内で行うことがオススメです。

自宅においては、お風呂場にバスタオルを敷いて行うとオイルのベタつきも気にせずできるのでよいでしょう。

ヴァータ・ピッタを鎮めたいときには、体毛の方向にマッサージ。
カパを鎮めたいときには、むくみを改善するために、リンパに沿って心臓へ向かってマッサージしましょう。

また、カパが増大しやすい季節やカパ体質の方へはガルシャナ(ドライマッサージ)もオススメです。

ガルシャナを行う場合には、アビヤンガの前にするのが効果的です。

ガルシャナの方法についてはLesson11を参照してください。

入浴・シャワー

ガルシャナやマッサージの後は、入浴やシャワーで全身のオイルを洗い流しましょう。

軽い散歩

朝食前は適度な運動にもってこいの時間帯です。
アーユルヴェーダにおいて、適度な運動は、健康促進に不可欠なものです。
適度な運動をすることにより、体の免疫機能が高まり、心身ともに健康になることができます。
また、老化のスピードを遅らせることもできます。

朝食前には手を大きく振って全身を動かしながら散歩しましょう。
早く歩いたり、少し遅くしたりとメリハリをつけて行うことも大切です。

朝のヨーガ

太陽礼拝を中心にポーズをとって体をリラックスさせましょう。

【昼の過ごし方】

昼食

昼は1日の中で一番アグニの力が強まる時間帯です。

消化力が上がっていますので、昼食は腹八分目までしっかり食べましょう。
しかし、あまり食べすぎると午後に眠くなってしまい、アーマが増大しますので注意が必要です。

昼寝・おやつ

15時頃になると、ヴァータが増大し、休みたくなります。
しかし、アーユルヴェーダでは、昼寝もおやつも推奨していません。

昼寝はカパを増大させてしまいます。
どうしてもつらくなった時には、椅子に座ったままで15分程度仮眠しましょう。
こうすることで集中力が高まるといわれています。

日中のおやつもできるだけ控えましょう。
どうしても甘いものが食べたくなった時には、まず自分自身の体に問いかけてみてください。
本当に食べたいかどうかじっくり自分自身と向き合うことで我慢できることもあります。
どうしても我慢できない場合には、イモなどの自然食から甘みをとるようにしましょう。

【夜の過ごし方】

入浴・ヨーガ

帰宅後は入浴で、1日の汚れを流しましょう。
アーユルヴェーダでは、夕食前に入ることを推奨しています。

入浴後はヨーガでリラックスしましょう。
激しい動きは避けます。また、瞑想は朝よりも長く行うとよいでしょう。
家族やパートナーと一緒に行うのもオススメです。

夕食

夕食は、できるだけ早い時間に少量食べることが推奨されています。
アグニの力が弱まっていると感じる際には、食前にショウガを摂取するようにしましょう。
ヴァータとカパの乱れを感じる人は、梅酒や赤ワインを食前酒に飲むこともオススメです。

散歩

食後1時間ほどしたら、15分ほどの散歩に出かけましょう。
この運動により、アグニの力を高め、就寝までに夕食を消化させることが目的です。

原則就寝の2時間前からは、水や白湯などの水分以外に何も摂取しないようにしましょう。

就寝

就寝前に1日を振り返りましょう。
正座やあぐら、楽な姿勢で行います。
深く呼吸をし、今日あった否定的な感情を捨て去ります。
いろいろ考えを巡らせると、かえって眠れなくなりますので、あくまでも客観的に無判断で振り返りをします。

眠りがスムーズに進まないときには、アロマの香り・マッサージ・音楽を取り入れるようにしましょう。

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