Uncategorized

Coconut

coconut-238933_640

学術的分類:ヤシ科ココヤシ属
学名:Cocos nucifera

古代インドの言語であるサンスクリット語で、Tree of Life(生命の木)とも呼ばれるココナッツ。

有名ハリウッドセレブが美容や健康のために取り入れているとして注目されはじめてから、日本でスーパーフードの存在地位を高める役割を果たしたものの一つでしょう。

今では様々な製品が輸入・製造されており、日本で手に入りやすいスーパーフードの一つとなっています。

ココナッツの歴史

ココヤシは、私達人類の誕生より前から存在するといわれており、その歴史は一億年以上前まで遡ります。

その原産国についてはフィリピンという説が濃厚ですが、まだはっきりとは分かっていません。
東南アジアやポリネシア地方などの熱帯地域一帯で年中収穫されており、ココナッツの生産はこの辺りの地域がほどんどを占めています。

特徴

ココナッツはココヤシの種であり、生命力に満ちあふれています。
その木の高さは約30mまで成長し、葉の大きさは3m以上となります。

ココヤシの生育環境

ココナッツウォーターは、その豊富ミネラルから、天然のスポーツドリンクとも言われ注目されていますが、これはココヤシの生育環境と深い関わりがあります。

ココヤシといえば、南国の海の近くを思い浮かベる方も多いでしょう。
ココヤシは耐塩性が強く、そのため海の近くでも成長することができ、肥料として海水をかける場合もあります。

砂地を好み、強い日光と多量の雨、高い湿度がある環境を好み、温暖な気候を好みます。
このような条件が揃わない環境での育成は、木は成長しますが実が大きくならないということが多々あります。

捨てる部分がないココナッツ

ココナッツの特徴の一つとして挙げられるのは、捨てる部分がないほど用途が多岐に渡る点でしょう。
スリランカでは、「ココヤシには99通りの利用法があり、100番目の利用法もやがて間違いなく見つかるだろう」と言われています。
それほどココヤシには果肉、殻、葉、樹木の全てにおいて様々な使用法があります。

ココナッツウォーター(実のなかに蓄えられた水分)は、酢酸菌を培養することで寒天状の物質ができますが、これはナタデココとなります。

果肉からはココナッツオイル、ココナッツミルクが、また搾りかすを乾燥・粉砕させることでココナッツファイバー(ココナッツファイン)が作られます。

またココナッツクリームやココナッツシュガーなどの製品へと変化もします。

大きく成長する葉は、生産国では屋根葺きに使用され、耐久性に大変優れています。

また海水にも強く、漁では魚を集める道具の原料としても利用されます。

coconut-1123738_640

ココナッツの構造

ココナッツの殻は、内側から硬い部分(内果皮)、繊維質の柔らかい部分(中果皮)、一番外側の表面部分(外果皮)の3層構造となっています。

  • 内果皮・・・その硬さを活かした活性炭や皿・スプーンなどの食器、アクセサリーなどに加工
  • 中果皮・・・繊維質の柔らかさと抗菌性を活かした足拭きマットや自動車のシート、ロープや防音壁材などに加工、コヤファイバーとして亀の子たわしなどにも。

また、花が咲く部分の茎である花序を切ると切り口から蜜液が採れ、これはココナッツハニーやココナッツネクターとなります。
これを煮詰めて水分を蒸発させたものが、血糖値が上がりにくいことで注目されているココナッツシュガーです。

また食べる以外にも、ココナッツオイルは古くから食品用洗剤や石鹸にも用いられています。
石油などから工業的に作られた洗剤は自然界で分解されにくいですが、ココナッツオイルなど生物系の油脂は分子構造が単純なため、石油系のものよりも非常に分解されやすく、自然に優しい製品です。

ココナッツオイルに約50%含まれるラウリン酸は、生物系の油脂の中で最も洗浄力が高いと言われています。

ココナッツ製品や栄養成分

ココナッツウォーター

cde597940121cb2237712ae7f34ed402_s

ココナッツの実の中には、豊富な水分が蓄えられており、これはココナッツウォーターと呼ばれ、「この世で最もきれいな水」とも言われています。

純粋なココナッツウォーターは自然界で最も電解質を多く含み、天然のスポーツドリンクとも言われています。
特にヤングココナッツウォーターの成分は、私達人間の血漿とほぼ同じだと言われており、体液とほぼ等しい浸透圧で、かつて太平洋戦争の時代には、負傷兵の応急処置の輸血でココナッツウォーターが用いられたとも言われています。

ココナッツには天然のろ過作用があり、根から吸い上げた水分が実に達するまでに、約9ヶ月の時間を要しています。
その間にココヤシの繊維を通過した水は、豊富な有用菌(酵母菌、乳酸菌、酢酸菌など)を含んでいます。

ヴァージンココナッツオイル

1288b2f74a4c020470c9c11f263300ee_s

今日本で最も手に入れやすく、注目されているスーパーフードの一つは、このココナッツオイルでしょう。
しかし、その流行のスピードに正しい知識や使用法がついていかず、あまり使用に好ましくない製品も流通しているようです。

ココナッツオイルは、成熟したココナッツの実の果肉(コブラ)から抽出されます。
オイルの製法には様々なものがあり、ココナッツクリームを加熱し水分を飛ばして抽出する方法や、コールドプレス(低温圧搾)製法などがあります。

安価なココナッツオイル商品は、抽出工程において精製という処理を行っており、ココナッツ独特の甘い香りがない場合が多くなります。
一方コールドプレス製法(低温圧搾法)は、高熱を加えずじっくり丁寧に抽出する製法で、この製法で抽出されたココナッツオイルはヴァージンココナッツオイルと呼ばれます。

バージンココナッツオイルは、圧搾後2、3日の熟成工程を経てミルク分と水分を分離して取り出します。
その際の温度と時間により品質が大きく変化し、香りにも影響を与えます。

ヴァージンココナッツオイルは、オイル自体にココナッツの甘い香りが含まれているのが特徴です。

こちらのほうが手間や時間がかかることから、一般的に高価な商品が多くなりますが、熱を加えないことでその栄養成分が変性することがなく高品質と言えます。

購入する際には、コールドプレス製法で搾られた甘いかおりのする高品質のヴァージンココナッツオイルを選ぶようにしましょう。

栄養成分

ヴァージンココナッツオイルには、中鎖脂肪酸が自然界で最も多く含まれています。

中鎖脂肪酸は、一般のオイルと比較して数倍の速さで吸収や代謝が行われるのが特徴で、体内に蓄積されずにエネルギーとして効率よく利用され、その際には体脂肪の燃焼を助けるという研究もあり、現在美容とダイエット・健康維持のオイルとして注目を集めています。

また、免疫力を高め抗菌活作用のあるラウリン酸も含まれています。
このラウリン酸は母乳にも含まれる成分です。

ココナッツシュガー・ココナッツネクター

8d323381706ec34ad73f02bb0b5411c1_s

ココナッツシュガーやココナッツネクターは、花が咲く部分の茎である花序を切ると切り口から出てくる蜜液から採取されたものです。

低GI値の甘味料(GI=35)で、血糖値を上げにくい甘味料として今注目を集めています。

栄養成分

ココナッツの特徴である豊富なミネラルが含まれており、カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄などの必須ミネラルが豊富なほか、BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)も含まれています。

ココナッツには、緑色をしたヤングココナッツと、茶色く繊維質な成熟したココナッツの2種類がありますが、総じてヤングココナッツのほうが栄養価は高いと言われています。

新鮮なヤングココナッツの果肉、ココナッツオイルに期待される効果と成分

coconuts-331258_640
  • ビタミンAなどの脂溶性ビタミンやアミノ酸の消化と吸収を助ける
  • 飽和脂肪酸を豊富に含み、免疫系に有用に働く
  • 血糖の利用効率を向上させることにより、低血糖症の症状を抑制する
  • ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸(MCFA)は、免疫系、甲状腺、皮膚、神経系にメリットをもたらす。
  • ホルモン生成を助け、調整を行なう
  • アンチエイジングホルモンであるプレグネノロンの原料となる
  • 代謝を上げて減量を促進する
  • 肝臓の善玉コレステロールの生成を助ける
  • 強力な抗ウイルス物質であるラウリン酸を含む・・・など

新鮮なヤングココナッツウォーターに期待される効果と成分

  • 電解質を豊富に含み、浸透圧が人体と似通っており水分補給に最適
  • 成長促進作用がある天然の化合物を含み、子供の成長の手助けとなる
  • 体を冷やす効果を持ち、多汗症やじんましんを抑える
  • 強壮剤となる
  • 尿管結石などの結石系の痛みを緩和する働き・・・など

ココナッツ製品

日本では新鮮なヤングココナッツはなかなか手に入らないため、主に加工品を利用することが多くなるでしょう。
日本でも随分と手に入りやすくなったココナッツ製品も沢山あります。

  • ヴァージンココナッツオイル
  • ココナッツオイル
  • ココナッツウォーター
  • ココナッツミルク
  • ココナッツクリーム
  • ココナッツファイバー
  • ココナッツフレーク
  • ココナッツパウダー・・・など

また、東南アジアや南国の原産国では、採れたてのヤングココナッツやココナッツ果肉を使用したデザート、成熟したココナッツなどを手に入れることができます。

また、ココナッツ果肉に含まれる乳酸菌などを生かしたココナッツヨーグルトなどもあります。

sweets-847917_1280

ココナッツにはいくつかの種類があり、ヤングココナッツ、タイが産地のハイブリットココナッツ、ブラウンココナッツなどがあります。

選び方

ココナッツオイルの選び方

ココナッツオイルは、甘い香りのするヴァージンココナッツオイルを選びましょう。
低温圧搾(コールドプレス)の製法で抽出されていることもポイントの一つです。

またココナッツオイルの容器は色の濃いガラス容器のものがベターです。
これは光による酸化を避けるためで、このような容器に入ったココナッツオイルの品質は非常に安定したものとなります。

ココナッツオイルの溶解性によりプラスチック製のものは溶け出す恐れがあるため、プラスチック容器のものはできるだけ避けましょう。

その他のココナッツ製品の選び方

ココナッツウォーター、ココナッツミルク、ココナッツクリームなどは、可能な限り添加物や甘味料などが添加されていないものを選ぶようにしましょう。
安価なココナッツミルクやクリームには、分離を避けるために乳化剤などが使用されています。

また、近年日本ではココナッツウォーターと表示されたドリンクが多く販売されるようになりましたが、その多くは甘味料や添加物が含まれる清涼飲料水である場合が多くあります。

きちんと成分表示を見て、可能な限りピュアなココナッツウォーターを選ぶようにしましょう。

coco-607349_640

ココナッツフレーク・ココナッツファインの選び方

ココナッツフレークは、漂白剤が使用されていないものを選びます。

また、近年コンビニなどでもスナックとしてココナッツフレークと表示のある製品もありますが、砂糖が添加されているものは好ましくありません。

無添加のココナッツフレークやココナッツファインは、オーガニック食材店や製菓食材が売っているお店などで手に入れることが出来ます。

利用法

摂取目安

健康によいと言われるココナッツ製品ではありますが、健康のための摂取には大さじ2杯程度を目安としましょう。(ココナッツオイルで有名なミランダ・カーさんは、1日大さじ4杯ほど摂取していると言われており、体調をみながら最大量目安にしても構いません)

おすすめのココナッツの楽しみ方

  • ヴァージンココナッツオイルをスムージーやコーヒーに加える
  • ヴァージンココナッツオイルでドレッシングを作る
  • ヴァージンココナッツオイルを用いたロースイーツを作る
  • ココナッツクリームでスイーツを作る
  • ココナッツウォーターをスムージーに加える
  • 運動後の水分補給としてココナッツウォーターを用いる
  • マッサージオイルとしてココナツオイルを用いる(性感オイルとしての利用も可能)
  • スプーン一杯のココナッツオイルでオイルプリングをする

詳しいレシピなどはLesson28-7を参考にしてください。
スイーツにも毎日の料理にも使用できるココナッツ製品は、日常に取り入れやすいスーパーフードです。

delicacies-793146_640

※新鮮なヤングココナッツウォーターを日常的な水の代わりに摂取することは避けましょう。
多量すぎる摂取はカリウムなどの摂取が過剰となり、高カリウム血症、腎不全となる可能性があります。

※オイルプリングとは、インドの自然療法であるアーユルヴェーダという健康法の一つとされています。
スプーン一杯のオイルを口に含み、口内でゆっくりとオイルを動かして全体になじませ、舌を動かしながら歯と歯の間に入れるように意識するなど、マウスウォッシュのようにするうがいのことです。
これを約15~20分で行います。
口内の病原菌の殺菌や粘膜の健全化、歯のホワイトニング効果など、口内の健康に役立ちます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です