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Spirulina

スピルリナ(Spirulina)

学術的分類:単細胞微細藻類・単細胞螺旋状藍藻/ネンジュモ目ユレモ属スピルリナ科
英名:Spirulina

スピルリナは「タンパク質の女王」「未来の食を変える救世主」とも呼ばれている、単細胞の藻です。
かつてはアフリカの湖で生息していましたが、現在ではそのスーパーフードとしての素晴らしい効能から、商業的な生産が行われており安定的に手に入れることができるようになりました。

スピルリナの歴史

スピルリナは、地球上に生命が誕生した時から存在していたと言われています。
「藻」という単純な生命体ですが、長い歴史のなかで食物連鎖の基盤として様々な生物の生命を支えてきたと言えるでしょう。

アフリカのチャド湖の近隣では、何千年も前から原住民のカネム族が、湖面に生息するスピルリナを重要なタンパク源として摂取してきました。
しかし、1927年、トウルピン博士(藻類学者・ドイツ)がこの驚異的な力を秘めた藻を発見し、「スピルリナ」と命名しました。

そして1967年、フランス国立石油研究所のクレマン教授が、メキシコで開催された微生物に関する会議においてスピルリナを「未来の人口増加による食料危機を救うもの」として紹介したことがきっかけとなり、スピルリナは世界中から熱い注目を浴びることとなりました。

このことがきっかけとなり、1970年代には、スピルリナの大規模商業的な収穫が始まり、現在に至ります。
日本では、1975年に元東京大学教授・渡邊篤教授、黄堂慶雲博士らが本格的に基礎研究を始め、世界で初めての大量清浄培養に成功しました。

現在では、宇宙食や未来の食料として、NASAによる研究が行われており、またアフリカなどの難民の食料としても利用されています。

特徴

スピルリナは、水温30〜35℃程度の高いアルカリ性の真水を好み、光合成を行うことでタンパク質や脂肪酸、炭水化物や他の様々な栄養素を作り出しています。

その生命力は強く、生息場所の水が干上がったとしても休眠状態となり生き続けることができます。
このように耐熱性が強いため、加熱調理を行っても栄養価は保たれるとされています。

栄養成分

スピルリナの特徴は高タンパク、高ビタミン、高ミネラルの高い栄養価と、消化性の良さです。

良質なタンパク源

スピルリナは、私達が食事から摂取する必要のある9種類の必須アミノ酸(トリプトファン/リシン/メチオニン/フェニルアラニン/トレオニン/バリン/ロイシン/イソロイシン/ヒスチジン)を全て含んでいる完全タンパク質です。

また、そのバランスのよいタンパク質を65〜71%も含んでおり(正確な割合は種によって異なります)、これは食品の中でも含有比率が非常に高いものとなります。

タンパク質の役割は、筋肉増加だけではありません。
持久力や体力、安定した血糖値、生体ホルモンの分泌、また私達が生きるために欠かせない「酵素」もタンパク質からできています。

さらに、体の維持だけでなく、健康な精神状態を保つためにタンパク質は重要です。
幸福感を得られるホルモンであるセロトニンの原料はアミノ酸のトリプトファンであり、トリプトファンの不足によりセロトニンの生成が正常に行われなくなると、ストレス耐性が急激に低下、うつや神経障害、睡眠障害などが起こりやすくなります。

スピルリナを食べているだけで生きていられる、と言われているほど、私達の体を維持するために重要な成分が詰まっているのです。

豊富なビタミン

スピルリナは、様々なビタミン・ミネラルをバランスよく含んでいます。
その中でも特にβカロテンとビタミンB1、B2,B6,B12,ビタミンE,ビタミンKが豊富です。

βカロテンはガンの予防効果が期待されている成分です。
またB12は通常、植物性食品にはあまり含まれていない栄養素であり、ベジタリアンやビーガンの方は欠乏しやすくなります。
ビタミンB12の欠乏は悪性貧血や神経障害などを引き起こす原因となるため、動物性食品を普段あまり口にしない方々にとっては、大変貴重な栄養源となります。

血液を造る豊富な成分

スピルリナに含まれている豊富な栄養素は、血液を造ることにも役立ちます。

造血作用があるクロロフィル、赤身肉に匹敵する含有量の鉄分などは代表的ですが、スピルリナの美しい色素であるポリペプチドとフィコシアニンは、骨髄の幹細胞の増殖を促す働きがあることがわかっています。

幹細胞は赤血球や白血球となる細胞であり、これらの成分が血液の生成を促進するという研究も発表されています。

豊富な若返り成分

スピルリナには、抗酸化物質がとても豊富に含まれています。
これは、地球が生まれたばかりの頃、紫外線から自分自身のDNAを守るために発生したと言われています。

スピルリナに含まれている抗酸化物質には、免疫系を修繕する脂溶性抗酸化物質のβカロテン、優れた造血作用とデトックス作用のあるクロロフィル、眼精疲労の回復や視力改善に重要なゼアキサンチン、代謝酵素であるスーパーオキサイド・ディスムターゼ、放射能の排出効果や放射能汚染ダメージを軽減し幹細胞の生成を促すフィコシアニンなどがあります。

また、抗酸化物質の一部はもともと紫外線から身を守るために生まれたという経緯から、摂取することで私達の細胞を紫外線から守ってくれると言われています。

また、アンチエイジング成分として今注目されている「核酸」もスピルリナには含まれています。
核酸は傷ついた細胞を修復するために欠かせない栄養素です。

老化とは、私達の細胞が傷つき、加齢によりその修復が追いつかなくなることで進行していきます。
核酸の細胞修復と新陳代謝を促進する効果は、アンチエイジングの強い味方となるでしょう。

スピルリナに含まれる栄養成分

  • クロロフィル
  • タンパク質(必須アミノ酸)
  • 必須脂肪酸
  • ビタミン類
  • 主要ミネラル
  • 微量ミネラル
  • 核酸
  • 多糖類
  • 豊富な抗酸化物質
  • ゼアキサンチン
  • クリプトキサンチン
  • フィコシアニン

期待できるメリット

  • バランスの良いタンパク質の宝庫で、含有率も高い
  • 9種類の必須アミノ酸を全て含んでいる
  • βカロテンが豊富
  • 植物性食品では貴重なB12を含む
  • 造血作用やデトックス作用が期待できるクロロフィル
  • 放射能排泄促進効果
  • 免疫力を高める
  • アンチエイジングに欠かせない抗酸化物質の宝庫
  • 若返りの栄養素である核酸を含む・・・など

使用上の注意

スピルリナは藻ですので、独特の香りと風味があります。
青臭いような香りの中に硫黄の匂いが交じる場合もあり、味も慣れるまでは苦手な方もいるでしょう。
無理せずに少しずつ摂取していくようにしましょう。

おいしく楽しめてその上で栄養価が高いのが、スーパーフードの特徴です。

またスピルリナには冷やしたり湿らせたりする性質があるため、暑い気候の土地にお住まいの方や乾燥する季節、体質的に乾燥しやすい方には最適の食べ物となります。

しかし反対に、寒い季節や体内に水分を溜め込みやすい方にとっては、体調を見ながら摂取していくのが良い方法だと言えるでしょう。

選び方

スピルリナ製品には、オーガニック認証を取得しているものとそうでないものがありますが、オーガニック認証があれば必ずしも優れているかというと、実はそうでないこともあります。

安心して摂取するためには、その製造工程が納得できるものを見つけましょう。

また錠剤の形になっているものは、錠剤にするための添加物が使用されているかどうか確認します。
スピルリナは本来粘性があり、添加物を使用せずとも錠剤にすることができます。

添加物を使用していないものを選びましょう。

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もう一つ気にするポイントとしては、スピルリナの新鮮さです。
これは香りで判断することができ、スピルリナが悪くなり始めると酸味を感じる嫌な香りが漂いますので、鮮度を測るポイントとして覚えておきましょう。

スピルリナ製品

日本で手に入るスピルリナ製品には、下記のような物があります。

  • スピルリナ粉末(乾燥パウダー)
  • スピルリナ錠剤
  • スピルリナを含んだドリンク・お菓子・・・など

また海外では、生のスピルリナを使ったチョコレートやエネルギーバーなども販売されています。

利用法

水に溶かすと、大変美しく深い緑色となります。

摂取目安

上記の通り、最初から無理に多量に摂取することは避けましょう。
摂取量は下記を目安としてください。

  • 初めて食べる方や2〜9歳程度の子供:1日1~4g程度
  • 成人であり食べ慣れてきた方、もしくは10~18歳程度の子供:1日5~10g程度
  • 日常の運動量が非常に多い方:1日30g程度

日本人の体は欧米人と比較して繊細であり、少なめの量から挑戦するのがお勧めです。
また摂取量よりも多く摂り過ぎた場合には、体外に排泄されてしまうため、そこまで過敏に考える必要がないという説もあります。

お勧めのスピルリナの楽しみ方

スピルリナはスムージーやロースイーツとして取り入れると、おいしく愉しむことができます。
その他にもドレッシングに加えるのもお勧めです。

  • スーパーフードスムージーとして
  • ナッツや他のスーパーフードとともにロースイーツに加える
  • ローチョコレートに混ぜる
  • ドレッシングやトッピングにプラスする・・・など

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